前回のお話
今年はどんなクリスマスケーキにしようか考えていた、パティシエ見習いのりーちゃん。
考えた末、イチゴのデコレーションケーキを作ることにしました。
「マルズ先生!ぼくのケーキの絵、見てー」
「これはこれは。素敵なケーキが描けていますね」
「これ、このケーキ作ってもいいですか?」
「もちろん」
「やったぁ!」
りーちゃんすっごく嬉しそう。
”ぼくが一番に食べたいくらい、おいしそうに描けた”
早速イチゴのデコレーションケーキの試作品を作るため、イチゴをさらに追加注文。
「あ、イチゴ屋さん?ぼくりーちゃんです」
”マルズさんのところの?”
「イチゴなんですが…ええっ!?」
「りーちゃん、どうしました?」
残念ながら、クリスマス直前のこの時期、馴染みの青果店ではすでにイチゴが売り切れ。
青果店の方でもイチゴはたくさん仕入れていたみたいですが、予想以上の売れ行きだったそうです。
他の知っている青果店にも連絡をしてみたりーちゃんですが、どこもほとんどイチゴは売れてしまっているらしい。
「いくらかは確保できそうだけど、豪華なイチゴのデコレーションケーキには全然足りない」
困ったりーちゃん。
”別のケーキにする?ううん、やっぱりイチゴのケーキがいい。生クリームやスポンジはいいものがそろっている。あとはイチゴだけなんだもん”
「よし!他のイチゴ屋さんに直接聞いてくる」
「りーちゃん、こんな大雪の日に危険ですよ」
先程までは、ポ村を白銀にするぼた雪にワクワクしていたりーちゃんたちですが、今は…
”イチゴー、イチゴっ”
りーちゃんが困っていたその時、村の外から行商の方がやってきました。
「ケーキ屋さん、ケーキ屋さん。イチゴはいらないかい?」
りーちゃんはその声に反応するように、お店を飛び出して行きました。
「正直に言うとね、ちょっと酸っぱくて人気ないんだ」
でも形のよい、とってもきれいな赤いイチゴ。
「味みてみる?」
「いいの?」
りーちゃんとマルズさんはそのイチゴを試食させてもらう。
正直に酸っぱいというイチゴ屋さん。
果たしてお味は?
続きます