クリスマスが今年も近づいてきました。
ポ村は一番、年末が寒い。
そのため、年末年始の一週間前くらいは冬眠、というか冬ごもりしてしまう方も多いのです。
一方パティスリーマルズで働くパティシエ見習いのリーちゃんは、冬眠どころじゃありません。
今年はどんなクリスマスケーキを作るかに、夢中になっています。
パティシエのマルズさんは、それをじっと眺めています。
もちろん、マルズさん制作のクリスマスケーキはとっくに予約を開始。
でも毎年この時期、りーちゃんが一生懸命クリスマスケーキについて考えているので、出来ればそのアイディアも採用したいと思います。
ちょっとアレンジ、そして少しお安くはするけれど…
「うふふ、今年はどんなケーキにしよう」
クリスマスパーティーの最後、一番のお楽しみであるクリスマスケーキ。
ケーキでお客様をがっかりさせたくはありません。
”楽しいクリスマスパーティーだったね”そんな思い出を作ってあげたい。
「人気なのはチョコケーキかなぁ。クリスマスと言えばブッシュドノエル?チーズケーキもみんな大好きだよね」
どんぐりさんもぴょんぴょん跳ねて、うなづいています。
ふと目に入った、店内に飾られているクリスマスリース。
「やっぱりクリスマスは赤のイメージだよね」
「おや、りーちゃん、どんぐりさん。窓の外」
一生懸命考えているりーちゃんたちに、マルズさんは声を掛けます。
サラサラではなく、とても大きくぼてっとしたぼた雪。
すぐに溶けそうですが、どんどん村に落ちていきます。
ちょっとテンションが上がる雪。
「ねーどんぐりさん、赤と白が使われている王道のケーキと言ったら?」
「ぼく、やっぱり生クリームもったりのイチゴのショートケーキが一番好き!」
一般的にもイチゴのデコレーションケーキはとっても人気の商品。
”ようし、ぼくのクリスマスケーキのイメージ。絵にしてみよう”
続きます