「フリスビー買ってきたから、今から公園行こう」
シュールなことを言い出す、仕事から帰宅直後のポあね。
夜の公園で、姉妹で初めてのフリスビー。
この時…
ポいもはポあねにばれないよう、実は右手親指の痛みを必死で我慢していました。
一応ポあねのフリスビーの件は、近々職場の人とバーベキューへ行くので、みんなで遊ぶために購入したそうです。
前日の話。
ポあねと一緒に暮らし始めて、半年ほどたった頃。
「車買うことにしたんだけど、一緒に見に行く?」
「行く」
ポあねに誘われて、購入する車を見に行くことになりました。
ポあねは北国に住んでいた時には、車に乗っていたのですが、実家近くに居をうつしてからは、しばらく乗っていなかったのです。
一方ポいもは車が不要な地に住んでいたものですから、自家用車の購入に付き添うのは初めて。
「車だ!車だ!」
🚗
ウキウキ気分でポあねとともに、とあるディーラーさんの元へ向かいます。
「あの、失礼ですがどのようなご関係ですか?」
話しかけてくる店員さん。
「妹」
「妹さんは車を購入されないのですか?」
「免許持ってない」
「車があると便利ですよ」
「いらない。マリカーもゴーカートも下手くそだから。空間認知能力もないし方向音痴。だから車壊すだろうし、人も轢く。なにより金がない」
「は、はぁ」
最初の車屋さんでは、そんな会話をしながら何事もなく試乗したりしていました。
「なかなかいい車だったね」
「うん」
「でも、もう一つ気になる車があるから、そっちにも付き合ってくれる?」
「うん。いいよ」
さっそく次の車屋さんへGO!
二軒目のディーラーの所に着いて、試乗し終わった直後。
ポいもは思い切り車のドアに指を挟む。
可哀想に店員さんは、その状態を見て口もきけないくらい青ざめていました。
”悪い事しちゃったなぁ”
あなたがねこさんなら”いい子いい子”してなぐさめてあげたい所。
ただ、ポいもはしょっちゅうこういうことをやるタイプなので、何にも驚かない。
指を挟んだことに対するリアクションは少なめ。
痛いは痛いのだけれど、心は凪。
痛みに関しては、不注意な自分が悪いのだから、何も言わず、そしてずっと黙ったまま指を隠すようにして下を向いていました。
一方店員さんは、何にも悪くないのに”もうここでは車を購入してもらえない”といったあきらめ顔。
それでもありがたいことに、腫れた指を冷やすために氷を出していただき、少しの間休ませてもらいました。
何しろ血が大量に噴き出していたものだから…
この時も、店員さんがねこさんだったら”いい子いい子”してあげてた所なのですけどね。
続きます。