マメチュー先生の調剤薬局

マメチュー先生の調剤薬局

ねずみの薬剤師、マメチュー先生の日常と、調剤薬局でのお仕事を薬の知識も交えながらほのぼのと描いています。猫好き、猫飼いの管理人の飼い猫エピソードも時々登場します。

ねこ森町の盆踊り大会 2022

都会の片隅で暮らす、一匹のねこさん。

そこはあたりを見回しても、他にねこさんはおらず、人間ばかり。


群れないと言われているねこさんも、ずっとひとりはやっぱり寂しい。

でも仕方がない。

生きるので精一杯です。


カツカツカツカツ

人々の足音が、そこかしこから聞こえてきます。


“人間に見つかってはだめよ”

おかあさんの教えです。


人目につかぬようねこさんは、車の影に身を潜めています。


都会に住むねこさんは、今宵もひとり、ひっそりと過ごす。


そしていつも通りひとりぼっちで、真っ白くて冷たそうな月を見上げます。

いつも通りの夜…のはずでしたが、今夜は何処かから聞き慣れない音が聞こえてきました。


ピヒョー


この音はなんなのでしょう。


ピー

ピヒョッ

ピーヒョロ

ピーヒャラ

ピーヒャララッ


なんだかとっても賑やかな音。


つっかえつっかえですが、どうやらお囃子のようです。


身を潜めながら賑やかな音を聞いていると、少しずつウキウキしてきました。


普段なら人に見つかるのは嫌なので、物陰にずっと隠れているのですが、沸き立つ心を抑えきれなくなってきました。


お囃子の音に導かれるようにねこさんは“人に知られぬ隠れ道“を通り、音がする方へと向かいます。

“机の下や棚の上“を通り、たどり着いた場所。

よじよじ

そこはなんと、ねこだけの世界、ねこ森町でした。

もふもふ天国。

go to heaven

いつもひとりで暮らしているねこさんには、信じられない光景です。


“にゃん、にゃん、にゃん♪“


様々なねこさんたちが、ねこ森音頭を舞い踊っています。


www.youtube.com

どうやらここ、ねこ森町では毎年、盆踊り大会が開催されているみたいです。


この世の全てのねこさんが共に楽しむ、幸せな一日。


「あれ、新しいねこさんがきてるにゃ」


「ほんとんにゃわ」

“福を招くねこさんのお手々“ が、ひとりでねこ森町にやってきた猫さんを、導いてくれます。


「こっち来て一緒に盆踊りするの」

ピーヒョロ

ピーヒャラ


こんな日はひとりで過ごさず、みんなで踊って楽しみましょう。

ヨイヤサ!

そして先に逝ってしまった、ご先祖の霊をおもてなししましょう。


誰にでもいるはずのご先祖様。


今夜だけは決して、ひとりぼっちではないのですから。