前回のお話
病気を未然に防ぐため、セルフメディケーションを推奨しているポ村の村長。
村民の健康をサポートするためにも、本日は月一の“健康相談会“を行っています。
今回のテーマは“摂食嚥下障害“についてです。
嚥下機能に関する筋肉が低下してしまっている高齢者には、食前に喉を潤すことが大切。
「食事に関してはとろみをつけた食事などがおすすめですよ。今回は三すくみの方たちにカニ玉を用意していただきました」
「やったー。カニ玉大好き」
「よかったわねぇ。トビーくん」
先ほど出された野菜ジュースが、口に合わなかったトビーくん。
カニ玉にはテンションが上がったようです。
「みなさん、ゆっくり食べましょうね」
「はぁい」
「ふわっふわでとろっとろだー」
「優しいお味で、飽きずに食べられるわね」
「さてお食事の後は、お口の体操ですよ」
ニコニコと村民たちの様子を眺めてきた村長が、皆にお口の体操をするよう促しています。
「お口の体操ってなぁに?」
マメチュー先生が補足します。
「内科医の先生が考案した“あいうべ体操“というものです」
「あら。聞いたことあるわ。確かテレビでやっていたのかしら…」
医療従事者の講演会などでもよく紹介される“あいうべ体操“
誤嚥を防ぐためには、飲み込む力をつけることが大切です。
口の機能を保ち、おいしく食事をするために、口の周りにある舌の筋肉・口元の筋肉など、たくさんの筋肉を鍛えられるのがお口の体操なのです。
【あいうべ体操】
口周りの筋肉を鍛えて、誤嚥を防ぐことが目的の体操。
口呼吸から鼻呼吸になるため、ドライマウスにも効果があります。
他には顔のたるみ、シワなどの改善による美容効果。
歯周病・虫歯予防。
免疫力が向上し風邪・インフルエンザにもかかりにくくなる。
さらには花粉症・喘息等アレルギー性の疾患にも効果があります。
まだ幼いトビーくんにはピンときていないようですが、高齢の方たちは様々な効果がある“あいうべ体操“に興味を持っているようです。
いつでもどこでもできる体操。
正確にはいつでもどこでも人の目を盗んでこっそり。
他人に見られるのはちょっと恥ずかしいかもです。
でも今日はとりあえずみんなで一緒に元気に練習。
みんなでやれば恥ずかしくない!
「さぁ、みなさん一緒にやりますよ!?」
続きます