マメチュー先生の調剤薬局

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ねずみの薬剤師、マメチュー先生の日常と、調剤薬局でのお仕事を薬の知識も交えながらほのぼのと描いています。猫好き、猫飼いの管理人の飼い猫エピソードも時々登場します。

節分に現れる鬼 その2

前回のお話

人間の心に巣食う“悪の心“を餌にしている鬼。


しかしそれだけでは満腹にならない鬼は、節分の日に豆を食べて、一年分の栄養を摂取しています。



そんな鬼はポ村にも現れたのですが、去年の記憶があまりいいものではなかったせいか、こっそりと引き返そうとしていました。



ところがあっさり、てんまさんに見つかってしまいます。

捕まった鬼はその後、まゆさんに連行されてしまいました。





「来るのが遅いぞ鬼。疲れてんのか?」




また、まゆさんにお仕事をやらされるのでしょうか?




しかし、鬼はなぜだかそのまま、足湯に入れられてしまう。



「フォ?」



それは“じゃばら風呂“というものでした。



“じゃばら“とは和歌山県でとれる、小さなおみかんです。



邪気を払うため、節分の日に入ったりするという。



“邪“は鬼本人ではないかと思うのですが…




「足湯、気持ちいいでしょう?今年のお豆はね、趣向を凝らした豆料理にしたんだよ」




「まゆさーん、てんまさーん!お手伝いお願いします」



「はーい」



マメチュー先生に呼ばれた二人。



「おい鬼。悪いけど、にゃこ見ててくんない?」



「フォ?」



鬼はいつの間にか眠ってしまっていたにゃこさんを、抱っこさせられていました。



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「マメチュー先生、お豆腐も入れよう」



「豆腐は嫌いだってば」



「美味しいのに。揚げ出し豆腐もダメ?ごま油で炒めた、刻みネギたっぷりの」




節分で年の数だけ食べるという、例の炒った大豆が苦手なまゆさん。



てんまさんは栄養価の高い大豆をまゆさんにも食べさせたくて、今年の節分は大豆カレーとデザートにきな粉餅を準備。

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まゆさんは子ども舌なのです。



「まゆちゃん、カレーは好きだもんね。お揚げを焼いたのもあるけど食べる?」



「いらない」



「生姜醤油で食べたら美味しいのに…」




お豆はもちろん鬼のため。



いつもガリガリ体型でポ村にやってくるので、心配されているのです。

体力がなければお手伝いも出来ません。



プラス豆料理は、好き嫌いが多いまゆさんのためでもあるみたい。


「まゆちゃんおいしい?」


「カレーはね。鬼はちゃんと食べてるか?」



「フォ」




やはり鬼は、お腹が減っていたのか、出された大豆カレーときな粉餅、お揚げを美味しそうに平らげます。




そして足湯で十分疲れも取れ、体力UP。



「豆乳いる?飲めるかな?」



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今年はしっかりお豆を食べた鬼。



これで今日一日、しっかりと様々なご家庭を回れそうです。



そしてその前に、お手伝いもできそうです。