前回のお話
てんまさんの妹のしょうまさんは、最近持病の喘息が悪化してきていると感じていたため、病院に検査をしに来ました。
喘息の程度をはかる呼気No検査。
検査機器商品名:「一酸化窒素ガス分析装置 NIOX VERO」
(呼吸器科専門医のいるクリニック等で実際に使用されています)
「息を一定に吹きかけて、風船を持った女の子を向かい側の陸地に、渡らせてあげて下さい」
「はぁい」
“ふーー”
しょうまさんは言われた通り、息を一定に吹きかけていきます。
「ほら、頑張って!
女の子が落ちてしまいますよ。
落ちたらあなたのせいですよ」
「先生、お静かに」
看護師さんに注意される先生。
しかししょうまさんはうるさい先生には慣れているので、集中して息を吹きかけていました。
「ああぁっ、落ちるー!」
「先生」
「わたしの…」
女の子を無事渡らせてあげられるまで、これをやらされます。
22ppb以上で喘息の可能性
37ppb以上で喘息確実
【検査結果】
130ppb以上でした。
「あのね、あなた…
わたしは喘息の人を専門で見ていますけど、こんな数値は月一回あるかないかですよ」
「月一いるなら、上等じゃないです?
そこまで珍しく…」
先生ににらまれ、口をつぐむしょうまさん。
「最近気になる症状はありましたか?」
「症状…
そういえば、苦しいって感じる夢を見ることが増えてきて…
目が覚めると、実際に苦しかったんだってことに気が付くんです」
「なるほど」
「大抵うちのねこがね。
朝、ベッドに入り込んでくるとなるんですよ」
ねこの毛やフケは刺激になってしまうのです。
あたしは、そう…
小学生くらいの頃はまだ、喘息であるとかは分からなかったけれど、高校に入った頃にはもう喘息なんだろうと自覚し始めた。
食後に息がしづらくなることも、増えてきていたからだ。
気管支が狭くなってきていたんだと思う。
だからあたしは、少しずつ息が出来るようになるのをジッと待っていた。
薬学生になってから、いよいよ検査しておこうと思って病院に行った。
学生の頃に行っていた研修の時など、粉薬を吸いこんでしまうたびに、症状が出てしまっていたからだ。
しっかり治療しておかなければ、仕事もままならないだろう…そう思った。
続きます