です。

マメチュー先生の調剤薬局

ねずみの薬剤師、マメチュー先生の日常と、調剤薬局でのお仕事を薬の知識も交えながらほのぼのと描いています。猫好き、猫飼いの管理人の飼い猫エピソードも時々登場します。

カフェイン中毒 その2

前回のお話

コーヒー専門店がポ村に出来て以来、USAさんはコーヒーをよく飲むようになっていました。


しばらくはコーヒーのおかげで眠気や疲れもとれ、USAさんは元気一杯でした。



ところが今日は体調が悪い様子。



まゆさんに“コーヒーの飲みすぎでは?”と指摘されてしまいました。




「コーヒーは確か、一日3杯程度が適切な量だと言われてたはずだけど」




「3杯って、やだもう~。
コーヒー好きは、絶対もっと飲んでるわよ」



「今、他の人の話はしてない」



「むぅ…」



でもUSAさんが言うとおり、夏など特に喉が渇いていたら、アイスコーヒー好きの方などは何杯でも、飲んでしまいそうです。




「USAはカフェイン依存、多少してるよね。
それに今のその症状、カフェイン中毒になってると思う」



カフェイン中毒は、カフェインを摂取した結果引き起こされる薬物中毒です。



「カフェインって中毒を起こすの?」

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「さっきも言ったけど、カフェインは身体に良い部分もあるんだけどね」



コーヒーに含まれているカフェインには、中枢神経を刺激して覚醒させる作用があるため、眠気や疲労を取り除き、考える力や集中力を高めてくれる。



その他、運動機能を高めてくれたり、利尿作用もあるので、適量を摂取すれば身体にとってはとても良い働きをしてくれるのです。




「ただ過剰摂取による弊害もある」



「過剰摂取…」



【過剰摂取による急性中毒】
脈拍数増加、呼吸数増加
胸痛、頭痛
めまい、震え
下痢、吐気
イライラ、興奮



「それって有名?知らなかったんだけど」



「ある程度、有名だと思ってたんだけど…」



確かにカフェインは眠気覚まし作用の方が、有名かもしれません。



コーヒー以外にも含まれているカフェイン。



日本ではカフェインは、医薬品として使用されています。



眠気を防止するカフェイン錠剤を大量に摂取するなど、カフェイン中毒は20~30代の男性に多い。



仕事中に眠らないようにするため、つい気軽に摂取してしまうようです。



さらにはエナジードリンクにも、カフェインは含まれています。



「エナジードリンクにも入ってんの?」



そのため、眠気覚まし用錠剤・コーヒー・エナジードリンクの併用は危険です。



「知らなかったら、忙しいときなんか普通にやっちゃいそう…」



カフェインは他にも一部の頭痛薬、風邪薬、鼻炎薬にも入っています。



こちらもコーヒー等と一緒に摂取すると、過剰摂取になってしまう場合があります。



「きゃあぁ…大変」



「あのさ、実はカフェインってさ。

劇薬なんだよね」



「…!なによ、そんな…

脅かして、劇薬?ほんと?」



カフェインは劇薬として指定されています。

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そのため、摂取量を誤ると、生命に危険を及ぼす可能性がありるのです。



【中毒症状】約1000mg

【致死量】約5000mg以上


ただし、体質によってだいぶ差があり、死亡も稀です。



「危険なのは、にゃこちゃんだけじゃ無かったのね」



小さなお子さんも、大人よりさらに危険です。



エナジードリンクの味を好むお子さんもいるので、注意が必要。



よほどの量を摂取しなければ、中毒になることは稀ですが、カフェインはコーヒー以外の飲料やスイーツ類にも含まれているため、摂取する際には原材料を確認するようにしましょう。




【カフェインを含む飲料】
玉露茶:100ml/160mg
コーヒー:100ml/60mg
紅茶:100ml/30mg

他、少量ですがココア・コーラ・ウーロン茶等にも含まれています。


【スイーツ類】
ハイカカオチョコレート
眠気覚まし用ガム
抹茶等が含まれたお菓子



「まゆちゃんあたし、その手の食べ物や飲み物…

全部好きなんだけど」



「だから摂取する時は、ある程度量を意識して取り入れろよって話。

USAの好きなお酒もそうだけど、適量なら身体にとって良い影響をもたらしてくれるけど、度は越えんなという事だ」



「お酒も甘い物も揚げ物も、食べ過ぎたらダメだって分かってたけど、コーヒーまで…」




「…とりあえず、今日はうち来てゆっくり休むか?

香子さんの所で買った、アロマでも焚いてやる」



カフェインに対する拮抗薬はありません。


USAさんの症状は軽そうなので、とりあえず休ませ、そして体内のカフェイン濃度を下げるため水を飲ませることにしました。



「重症になったら病院だぞ」



「…音楽も聴いていい?」



「頭痛に響かない程度なら」



「にゃこちゃんもいるかな」



「いなかったら回収してくるよ」



「お願い」



禁じられると
“飲みたい!食べたい!”
そういう欲求は強くなり、コントロールするのは困難です。



しかし一緒に気分転換に付き合ってくれる、そんな友人がそばにいてくれると、多少は気が紛れて欲求も抑えられるかもしれませんね。

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