マメチュー先生の調剤薬局

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ねずみの薬剤師、マメチュー先生の日常と、調剤薬局でのお仕事を薬の知識も交えながらほのぼのと描いています。猫好き、猫飼いの管理人の飼い猫エピソードも時々登場します。

ポ村に出来たコーヒーショップ その2

前回のお話

ポ村に新しく出来たコーヒー専門店に来たUSAさん、まゆさん、にゃこさん。

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どうやらまゆさんは、コーヒーが苦手みたいです。



「まゆちゃん、この飲み物嫌いにゃの?
いい匂いにゃのに」



先程から周囲の様子を、観察していたにゃこさん。



USAさんが大好きなコーヒーに、興味津々です。



にゃこさんはまゆさんが飲む、いい香りがするミルク入りのコーヒーを飲もうとしていました。



「にゃちにゃち」



「ああっ、こらっだめっ」



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「コーヒーの匂いとか苦手なねこの方が多いって聞くのに、にゃこってコーヒーの粉とかも舐めたがるよね」



「にゃって…」



ねこさんに、コーヒーを与えるのは危険です。




コーヒーに含まれるカフェインによって、引き起こされる症状。



ふらつき、ひきつけ、興奮、動悸、嘔吐、不整脈等




【中毒症状:体重5㎏】約100mg

【致死量:体重5㎏】約750mg

 


「何にゃて!?」




「大人のにゃこちゃんは、コーヒーが好きなのに飲めないのね。

可哀想…」



「にゃむぅ」





「そういえば、ねこのコーヒーってなかったっけ?」




「ねこの?ジャコウネコ?」



「あっそれ!」



「ねこがこーひー作るにゃ?」



「うんちとして出てきた、コーヒー豆を使うんだよね」



「何にゃて!?」



ジャコウネコという、ねこと名の付くものが作るコーヒー豆“コピ・ルアク”



ジャコウネコがコーヒー豆を食べた後に、排出した豆を採取して使用。

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ねこと名が付きますがネコ科ではなく、ジャコウネコ科です。



このコーヒー豆は、腸内の消化酵素の働きや、発酵によって作り出される。



これを洗浄し乾燥させたのち、焙煎してコーヒーにします。



好き嫌いが分かれる味とのこと。


ですがコーヒーとしては、世界一値段が高い高級品。



「大人のUSAさんは、ジャコウネコのコーヒーも飲みたいわけ?」



「大人のUSAさんは、正直あんまり興味ない」



「そうなの?安くても?」



「安かったらもっと、飲まないと思うな」



「ああ…まぁ、そっか。
高いからそれだけの価値があると思って、興味持つんだろうしね」



ジャコウネコの体内を通過した、安いコーヒー豆。


それだと確かに、わざわざ飲む価値がよく分かりません。




「あー美味しかった」



「飲み終わった?そろそろ出る?」



「うん。今日はもう満足!

じゃあごちそうさまでした」



「またいらして下さい」



「はい、また来まーす」



コーヒーを堪能してUSAさんご機嫌。



コーヒー豆も購入して帰ります。




「あたし、今いい香り~。
体中にコーヒーの香りが、漂ってるみたい」



「あたしはさぁ、そのコーヒーの匂い…
正直苦手なんだよね」



「なんでー?いい匂いなのに」



「いい匂いにゃ」



コーヒーの香りは、ジャコウネコのコーヒーと同様、好き嫌いが分かれます。



まゆさんは比較的、匂いに敏感。



香料の付いた整髪料とか、基本苦手です。



「雨の匂いとかは好きなんだけどね」



「雨の匂いは確かに良いよね。

…でさぁ、まゆちゃん。
鰻の香りも好きじゃない?」



「鰻?何?なんかあんの?」



「うん、聞いて。

実はちょっと豪華に、鰻のお取り寄せしたの。

今日あたしに付き合ってくれたりお礼に、一緒に食べない、鰻?」



「うそ、マジでかっ?」



「あたしのこと、好きになっちゃう?」



「うん、嫌いにはなってない♪」



「にゃに?おしゃかなの話?」



「にゃこちゃん、白焼きもあるから一緒に鰻食べよ」



「にゃたー」

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珍しく人気者のUSAさん。


「楽しみでしょ?
あたし鰻と一緒に、さっき買ったコーヒー飲もー!」



「なにそれ、気持ち悪…」



「何でよ-?」

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