「にゃばば~ば~ば、にゃばば~ばばば~♪」
違いが分かる、ねこのにゃこさん。
「このほうじゅんな味わい…
これは!銀のスプーンにゃ!」
「にゃこちゃん、ちょっと静かにして」
「にゃむ?」
「そういうの、今あたしがやりたいから」
コーヒーの味が分かる大人USA。
村はずれに新しいお店が出店しました。
USAさんが大好きなコーヒー専門店です。
USAさんは早速まゆさんとにゃこさんを誘って、お店にやって来ました。
「クンクンクンクン…
はぁ~…クンクンクンッ」
「盗んだ大量のパンツの匂いを、嬉しそうに嗅ぐ変質者…」
「ちょっとぉ!失礼過ぎない?
コーヒーの匂いを嗅いでたんでしょうがぁ!
ホントいい香り~」
「……」
コーヒー変態のUSAさんは、コーヒーの香りを楽しみ、幸せそうにコーヒーの味を楽しんでいます。
「う~~んっ。
切れのある酸味にビターな苦み。
その中に感じるほのかな甘み」
「なにモゴモゴ言ってんの?
うるさいんだけど?」
「…子供舌だからって、八つ当たりして」
そう、まゆさんは子供舌。
コーヒー等、苦い飲み物は苦手です。
ビールも苦手。
お茶も渋いので、好んでは飲みません。
ピーマンも生では食べられない。
天ぷらにしてあれば、食べられます。
好きな食べ物はハンバーグです。
どうやらこのコーヒー専門店には、USAさんに強引に連れて来られたようです。
「コーヒー豆も買って、家でも飲むんでしょ?
早く買って帰ろうぜ~」
「もうっ!ゆっくりコーヒー飲みたいのっ。
まゆちゃんは、コーヒー牛乳でも飲んでいてよ」
「ぬ!」
「うふぅ~…
香りが鼻を通り抜けて…
ホント最高!
これぞ至福の時間ってやつだわね」
「ふん!ばかにしてさ。
コーヒー牛乳は美味しいけどさ」
まゆさんは甘いコーヒー牛乳なら飲めます。
コーヒーゼリーも甘くしてあればまぁ、食べられます。
ホントはコーヒー牛乳等メニューには無いのですが、今回は特別に作って頂きました。
まゆさんもこういう時、たまには思う。
“スマートな大人になりたい”
年を重ねると舌に存在する蕾状の器官“味蕾”が減少するため、味覚が鈍くなり苦味も平気になると言われていますが…
「味蕾のやつめ!
いつ減少していくんだ」
「まゆちゃんこそ、何をモゴモゴ言ってんの?
そうだ、苦いのが苦手ならカフェラテとか、カフェオレとかミルク入りのコーヒーに挑戦してみたら?」
カフェラテにはエスプレッソとミルク、カフェオレにはドリップコーヒーとミルクが入っています。
「う~ん…じゃあせっかく来たから」
「さすがまゆちゃん!挑戦者!」
今回はカフェオレを頂くことにしました。
おそるおそる匂いを嗅ぎ一口。
「やっぱり苦い…」
「あー!二杯目のコーヒーも美味しい!
こっちは甘さと苦味のバランスが丁度良い。
味わいもフルーティーね」
「いや飲ませたんだから、人の訴え聞けよ。
話しを聞く前に自分の世界に浸るな」
次回へ続きます