マメチュー先生の調剤薬局

ねずみの薬剤師、マメチュー先生の日常と、調剤薬局でのお仕事を薬の知識も交えながらほのぼのと描いています。猫好き、猫飼いの管理人の飼い猫エピソードも時々登場します。

患者さん、ネットで調べてくる

「暖房消シタカシラ?ガスノ元栓ハ、大丈夫ヨネ。鍵ハ今、閉メタシ」



ナメ江さんは心配性です。



毎日毎日、何かを気にかけ心配しています。


心配した結果、チェック作業に時間がかかり一日が終わっていく。



このままでは、そのチェック作業をするだけの人生になる。



チェック作業だけで一生が終わる。




冬などはストッキングを履いてコートを着ると、スカートを履き忘れてないか気になります。


ストッキングの締め付けがあるせいで、スカートも履いている感があるためです。




「都会ニ来テイルノニ、スカート履キ忘レテル何テ恥ズカシイワ」


一度スカートを履いていることを確認したのに、気になる…。



気になって気になって、何回もコートの中を確認してしまいます。

f:id:maricats:20210211180821j:plain

こんなに色々と気にしていても、時間がギリギリになってしまうと、結局慌てていつも気にしていた事を全てチェックし忘れてしまう。

f:id:maricats:20210209100446j:plain

パゴロウさんはマメチュー先生とお話しする、ナメ江さんを見つめていました。



自身も心配性なパゴロウさんから見ても、なかなかな心配性に見えるナメ江さん。



体調が悪くなるたびに、あちこちの病院をめぐるドクターショッピングをしているらしく、処方内容の変更も多々あるようです。



「私ネ。
インターネットデ、調ベタンダケド」


「はい」

f:id:maricats:20210211181014j:plain

「コノ薬ハ肝臓ニ良クナイト書イテアッタカラ、飲ミタクナインデスヨネ。

ズット飲ンデイテモ、大丈夫ナノカシラ?」



ナメ江さんはこの所、お腹が張るという症状に悩まされていました。



処方された薬を服用しても、なかなか改善されない。



しかし最近新たに処方された薬を服用したら、ようやく症状が良くなってきたそうです。




それなのにネットでその薬のことを一応調べてみた結果、肝臓への副作用があると書かれていたという。


「大建中湯ですね」


お腹の働きを、和らげる働きのある漢方薬です。



「薬は肝臓から代謝されるものが多いので、大抵の薬は肝臓に負担がかかります。

しかし副作用が現れる可能性は、低いとされています。

もちろん薬によりますが大建中湯に関しては、副作用が現れる確率はやはり低いので、心配する必要はありませんよ」



「デモ確率ガ低イトイウダケデ、0デハ無イノデスヨネ?」



「ナメ江さん、ご不安でしょうが血液検査を定期的に行えば、肝臓の状態を把握することも出来るのでご安心下さい」



「マァ、ソウナノネ。
今早マッテ服用ヲ中止スル必要ハ、無インデスネ?」


「もし酷い疲れ、倦怠感、発疹などの症状が出て来た時は、肝機能が低下している場合があるので、早めにお知らせ下さい」



「副作用ガ起キル確率ハ低イ上ニ、肝臓ノ状態モ検査デ把握出来ルノナラ大丈夫ネ。

セッカク症状ガ改善サレタ薬ガ、見ツカッタンダモノ。

コレカラモ飲ミ続ケテイキタイデス」



「ではまた気になることがありましたら、ご相談下さい」



「マメチュー先生、今日モ有難ウゴザイマシタ」

f:id:maricats:20210211181054j:plain

仕事をしながら、やり取りを聞いていたパゴロウさん。


「ナメ江さん、納得してくれてよかったな。

もう“お腹の張り”の事でドクターショッピングをする必要は無くなったし…」  



インターネットで事前に副作用などについて調べてきた患者さんに、薬剤師が正しく説明をし直しても、ネットの方を信じ込んでいる患者さんを説得するのはなかなか難しいです。



今回はスムーズにいきましたが、思い込みで効能があるお薬を飲んで頂けないのは、とても残念だと思います。



「ボクも患者さんを説得する力を、身に付けなければです」