マメチュー先生の調剤薬局

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ねずみの薬剤師、マメチュー先生の日常と、調剤薬局でのお仕事を薬の知識も交えながらほのぼのと描いています。猫好き、猫飼いの管理人の飼い猫エピソードも時々登場します。

蕁麻疹発症 その3

前回のお話

USAさん、蕁麻疹を発症。


まゆさんと、その原因を探ることに…


どうやら便秘を解消するために食べていた、色んな食材の中に原因がある。

そんな可能性がでてきました。



そもそもその“便秘”になったのは、外を自由に歩けなくなったストレスでは?



そして外を歩けなくなった理由として新型コロナウイルスに加え、ポ村の子どもたちに広まっている妙な怪人の噂。





「怪人の正体を、ポ村の占い師に聞いてみようかな。

ついでに便秘のことも」



「蕁麻疹が出てる時に外に行くのはイヤで、便秘のことを聞くのは平気なわけ?」



USAさんは見た目に変化が無ければ、平気なようです。



「占い師ねぇ。
まぁ蕁麻疹は約7割が原因不明って、言われているからね」



「そうなの?」



「原因不明でも薬を飲めば、大抵治る」



「薬で…治る。病院行けってこと…よね?」



「ああ、いや…
実はあたしもさ」



「まゆちゃんも何?」



「蕁麻疹になったことがあって」



「そうなの?」



「USAと一緒。
あたしも便秘じゃん?

それを治したくて学生時代に、一気にたくさん摂取したものがあって」



「ホントにあたしと一緒じゃない。

で、何を一気に摂取したの?」



「米ぬか」




「米ぬか?」



まゆさんの蕁麻疹は3、4日続いたそうです。




「まぁその時はあたしもさ、何が何だか分からなくて病院行かなかったんだけどね」



ホントに全身がかゆくって、掻きむしったそうです。



なのになぜか、意外と痕は残らず。

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米ぬかをやめたら二度と、蕁麻疹は発症しなかったそうです。



「それかもっ」



「ん?」



「あたしも米ぬかかも」



USAさんも便秘解消のため、米ぬかを摂取していたそうです。



しかもまゆさんと同じく、早く便秘を治したくて大量摂取。



【米ぬか】
ミネラル、食物繊維、ビタミンB群が豊富。

抗酸化作用や美肌、便秘解消にも効果があります。


身体にいいものが豊富に含まれている米ぬか。

ですがどの食材に関しても同様、食べ過ぎは身体に悪影響を及ぼす可能性があります。




「そっか、ムキになって米ぬかを摂取し過ぎたのが良くなかったのね」



「多分、米ぬかアレルギーというよりは、米飯摂食アレルギーだったのかも…

さて!
とにかく行くか」


まゆさん立ち上がります。



「えっえっ…まゆちゃん、どこ行くの?」



「あたし、専門家じゃないからさ。

とにかく一緒に病院行ってやるから。
な?」




「うう…まゆちゃん」

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【米飯アレルギー】
米のとぎ汁に触れてしまったことによる皮膚炎や米粒、米ぬかによる接触蕁麻疹などがあります。

さらにイネ花粉によって、花粉症の症状も発症します。


なんにせよ気になる場合は、皮膚科を受診してきちんと診察を受けるのが一番です。



原因が分からないままだと、再び症状が出てきてしまう可能性があるのです

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【蕁麻疹】
・急性蕁麻疹・
発症後、一ヶ月以内で症状が治まってしまう

・慢性蕁麻疹・
発症後、一ヶ月以上繰り返す


皮膚の表皮の下にある真皮に存在するマスト細胞が刺激を受けると、ヒスタミンという物質を放出します。


このヒスタミンが皮膚の中で作用することにより、腫れやかゆみ・発疹があらわれます。


ヒスタミンの放出が終わると、腫れやかゆみは無くなっていきます。



そのため何もしなくても、蕁麻疹は消えていきます。


ただUSAさんのように外見を気にして外に出られないなどの支障が出たり、かゆみが我慢出来ない場合は、ヒスタミンの働きを抑える抗ヒスタミン薬を処方してもらいましょう。



心理的なストレスを軽減したり、皮膚を掻きむしることによって出来る傷などを防ぐことが出来ます。



服用すると症状が消えることもありますが、症状が出たり引いたり、繰り返し続くこともあるので、3~5日は服用を続けましょう。



副作用として、眠くなることがあります。



そして一部の慢性蕁麻疹には、効果があまり出ないこともあります。



腫れやかゆみがひどい場合は、ステロイド外用剤を使用して下さい。



・原因を明確にするには・
発症した際は、状況の共通点を探しましょう。


例〕
・ある特定のものを食べていた
・おなじ服装をしていた


皮膚科を受診する時は、蕁麻疹が起きている状態の患部の写真を持参すると良いでしょう。


血液検査やプリックテスト(皮膚に原因の可能性となるものを塗布)をすることで、原因を付きとめられる可能性もあります。