朝、チラッとだけマメクスリカフェに顔を出したまゆさんが
「もうすぐうちのにゃこの誕生日なんだ」
なんて言っていました。
にゃこさんが誕生した日。
“ちゃんと祝ってもらうんだなぁ”
などと考えているパゴロウさん。
「そうだ、シフォンの生まれた日はいつなんだろう」
シフォンとは、ある日突然一緒に暮らすことになった不思議な生物のことです。
いつも癒して貰っているシフォンに、何かしてあげたいっ。
何をあげたら気に入ってもらえるんだろう?
気に入るプレゼントをあげることが出来たら、もっと仲良くなるきっかけになるかな?
お誕生日かぁ。
そういえばねこさんの誕生のルーツって。
パゴロウさんは“猫のルーツ”に関して書かれているの本を読んでみる
「えっ?砂漠育ち?
知らなかったなぁ。
じゃあ、雪を知らずに育っているって事?
だから雪の日におこたで丸くなっているんだ。
へぇ。なるほどね」
ボクのご先祖様は寒い国で生まれたから、ボクも寒い方が得意だけど、シフォンも寒がりっぽいんだよね。
シフォンがササさんを、体に巻き付けようとしていたことを思い出します。
そんなシフォンが気に入ってくれるプレゼント。
「暖かいもの…かなぁ」
「なぁに?
パゴちゃんはお勉強しているの?」
てんまさんがひょっこりと、一人ランチ中のパゴロウさんの前に現れました。
マメチュー先生はまだ、患者さんの対応中です。
「てんまさん。
ねこさんのご先祖様は、砂漠に住んでいたんですね」
「うん。
今でも砂漠に住んでいるねこさんはいるよ。
スナネコとかもそう」
砂漠で育った猫は、水分が無くても生きていける体質。
そのためか、あまり水を飲みたがらない子も多いようです。
その体質により膀胱炎・尿路結石など泌尿器系の病気にかかりやすいと言われています。
その他、腎臓の病気にもかかりやすいです。
「水をたくさん飲まなくてすむけれど、病気になってしまうことがあるんですね」
「そう。
病気になったら弱っちゃうから、他の生物に捕食されてしまう可能性が高くなる」
「そんな砂漠からねこさんは、いつ日本に来たのでしょう」
「千年以上前から、ねこさんは飼われているみたいだよ」
猫は愛らしくて可愛がられてもいたのですが、ねずみ除けの為にも大切にされていました。
何しろ昔の人にとって、穀物をねずみに横取りされてしまうのは大ごとです。
「昔からねこさんは、ねずみを追いかけているんですね」
(ねこさんにお誕生日プレゼントするなら“ねずみ”が一番喜ぶのかな?)
確かに、ねずみのおもちゃが好きなねこさんは多いです。
(でもシフォンはねずみ貰っても喜ばないよね。きっと。)
「てんまさん。
ねこさんの名前の由来はやっぱり、よく寝るから何でしょうか?」
「うん。諸説あるみたいだけどね」
「ほんとよく寝ていますもんね」
「子ねこちゃんは、一日20時間はくらい寝ちゃうからね」
「ずうっと寝ている人生ですね」
「でも大人になったら一応、12~14時間くらいに減るみたい。
コアラやナマケモノは一日20時間以上寝てるから、ホントはねこさんよりももっとお寝坊さん」
「ボクはお勉強したいことがたくさんあるから、寝ているだけの人生は嫌だなぁ」
「いっぱい眠れて、羨ましがる人もいるだろうけどね。
逆にキリンや馬は、2~3時間くらいしか寝ないっていうけど」
「へぇ~。
睡眠時間がそれだけで十分なのは、羨ましいです」
「一生で換算したら起きている時間に出来ることは、だいぶ増えると思う。
そしたら時間を無駄にしたがらないせっかちさんも、少しはのんびり生きれるのかなぁ」
「ボクだったら薬学のお勉強に費やしてしまうかもしれないな。
そういえば薬学にはどんなルーツがあるのでしょう」
「薬学?」
次回へ続きます