です。

マメチュー先生の調剤薬局

ねずみの薬剤師、マメチュー先生の日常と、調剤薬局でのお仕事を薬の知識も交えながらほのぼのと描いています。猫好き、猫飼いの管理人の飼い猫エピソードも時々登場します。

薬箱のパッケージの色 その2

前回のお話

セラピーキャットとして訪問していたお宅で、様々な色のパッケージのお薬があることに気付いたにゃこさん。


胃腸薬はにゃこさんの好きな青や緑が多く、風邪薬はにゃこさんにはよく分からない“赤”など暖色系が多い。


それがなぜなのか気になり、イチイさんに質問。


しかし質問されたイチイさんは、ねこさんたちが判断出来る色は“人間とは違う”ということに注目していました。


「ねこたちは赤色等が、人間のようには判断出来ない」


なぜ注目したのか…

それは色覚異常の方への配慮やサポートが必要な事に、改めて気付いたからでした。


「緑のものよりは、こちらの青いパッケージの胃腸薬の方がオススメですよ」
等と患者さんに説明をしても、伝わらない事がある。


学校へ通う子どもさんには、さらに美術の授業など配慮しなければいけない場面は、多くありそうです。



「にゃこさんには、わからない色があるんにゃの?」


「何で色のことが気になったんだ?」


にゃこさんはにんげんのことは何でも、知っておきたいのです。


「ふうん。
“まゆちゃん”に関することは、何でも知っておきたいのか」


「まゆちゃんを知ってるにゃ?」


「いやさっきボソッと言ってたじゃん、名前」


「ああ、そうにゃったか…」


「じゃあ説明をするからな。
ちゃんと聞けるか?」

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にゃこさんは、真面目な顔をして座り直しました。



色が人に与える印象を使って、人の心をある程度コントロールすることが出来ます。


生産者は色を使い心理的に影響を与えるため、購買意欲を左右させるために、商品に見合った色を決めています。


薬のパッケージもそのテクニックを利用して、色を使い分けて消費行動を促しているのです。


それは薬以外の商品も同様、様々な場面で色の効果を使用しています。


風邪薬のCMが冬によく放映されているように、寒い時にかかりやすい病気というイメージがあります。


“寒気を感じる。検査した結果風邪だった。風邪薬を買っておこう”

その足で薬局に向かう。


つい暖かさを求めて、暖色系のパッケージの風邪薬を手にする。



一方胃腸薬のパッケージは風邪薬と違って、青や緑を使用する傾向にあります。


胃腸がモヤモヤしている時には早く胃の不快感を落ち着かせたいため、清涼感、安らぎ、癒しを求めたくなります。


胃腸薬のパッケージの青や緑には胃腸が不快な時につい手に取りたくなる、そんな爽やかな印象を与える効果があるのです。



「今の説明で分かった?」


「にゃし!」


もちろんちゃんとは分かっていませんが、イチイさんがにゃこさんにしっかり説明しようとしてくれたのが伝わったので、それだけで満足したようです。


だけどどこかしょんぼり顔。


「今日はにゃこさん、もう帰るにゃ」


「ああ、そう…
俺も帰るけど」


「まゆちゃんが見ている世界。
にゃこさんだって、おんなし世界を見ていたかったにゃ…」



「……」



「にゃんたっ!」


「にゃ?」


「赤ってのはな、炎の色。
あっつい火の色。
危険な信号の赤色!
何となく分かるか?」

 
「にゃ…にゃ?」


「イメージしてみろ。
熱いものとか、ちょっと危険なイメージ」


「にゃふ…」


にゃこさんはそう言われて想像してみます。



熱いイメージ?

熱を出してお顔が熱い時のまゆちゃん。


危険なイメージ…

怒って目を三角にして、全身カッカしている時のまゆちゃん。

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「あれが赤にゃの?」


「同じ世界を見れた気がしたか?」


「にゃふんっ!
見れた気がしたにゃ。
まゆちゃんに報告してくるにゃ」


「報連相がしっかりしてんな」


イチイのおかげで色の謎も解け、にんげんの世界の事も少しだけ知れたにゃこさんでした。