マメチュー先生の調剤薬局

ねずみの薬剤師、マメチュー先生の日常と、調剤薬局でのお仕事を薬の知識も交えながらほのぼのと描いています。猫好き、猫飼いの管理人の飼い猫エピソードも時々登場します。

年越しそば その2

12月31日夜の10時は過ぎ。

マメチュー先生が届けてくれた年越しそばを、頂こうとしているまゆさんとてんまさん。


美味しそうなサクサクの天ぷら付きです。


お夕飯にすき焼きを食べた上に、夜遅く天ぷらまで食べようとしています。



でもいいのです。


食べ過ぎるのは今日だけ…

いやお正月の数日間だけのことですから…



「じゃっ頂こうっ」


「お蕎麦のいい香り」


お蕎麦の粋な食べ方とかはしません。


自分が好きなように頂きます。


ズッスズッ


「うまぁ」


「マメチュー先生ったらすごいっ」


「あのさぁ、お蕎麦に喉越し求める人っているけどさぁ。

あたし蕎麦にそれ求めないんだよね」


まゆさんは十割の、しっかりお蕎麦の味がするやつが好きです。


お蕎麦をツルツルッと出来なくても良い。


「…それって上手にお蕎麦をすすれないから?」


「え?」


「まゆちゃんって、お蕎麦すするの下手くそだよね」


「えぇっ?」


まゆさん、自覚の無いことを指摘される。


まゆさんはむしろ今までテレビで麺をすすれない人を見ると“なんでそんなことも出来ないんだ”と思っていたタイプでした。



「だって…
さっきからお箸でお蕎麦を、たぐり寄せて食べてるよ?」


「ウソ?」


ズッスズッ…


「ほんとだ…」

どうやらお蕎麦を、すすっているつもりになっていたようです。


「ちょっとすすって食べてみて?」

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「あっ見た?今ちょっと出来たんじゃない?」


「う~ん、まぁうん」


「歯切れ悪いな。

でも箸使わないで、すするのって大変。

疲れるかも…」


「お手本として、あたしがお蕎麦食べてるところ見る?」


「いらんよ。

でもこの箸使った食べ方の方が、つゆも飛ばさなくていいじゃん。

ほら!それより天ぷら!

冷めないうちに」


「猫舌だから冷ましてたんでしょ?」


「うるさいな!

猫舌なんてものには負けんっ」


マメチュー先生が数種類も揚げてくれた天ぷら。


「まゆちゃん、どれ食べる?」


「全種類」


「だめ!」


天ぷらは数種類ありますが、中には一人分しかない天ぷらもありました。


「まゆちゃん1個しか無いやつも、あるって知っててさぁ」


「妖怪ケチ女。
鬼に食われて、鬼になったか?」


「それはまゆちゃんでしょ?」


「いいにゃあ。
二人とも楽しそうにゃ」


「食い意地、張り子!」


ほっぺたを膨らますてんまさん。

そしてその真似っこをするにゃこさん。


遊びだと思っています。



てんまさんはまゆさんの前では、こうして口答えすることがあります。


マメチューが作ってくれた天ぷらには
“仲良く食べて下さいね”
と言うメッセージがついていました。


当然、仲良く分けて食べてくれると思ったのでしょう。


二人分あるのは海老のみ。

他ピーマン、シシトウ、ナス、レンコン、シイタケ、ホタテ、イカは一人分ずつのみ。


煩悩の塊の女たち。


除夜の鐘がなり始める頃には、食べ終わっていた方がいい年越しそば…


この調子で食べ終わるでしょうか?


だいたいポ村では夜11時頃から除夜の鐘が鳴り始めるので、もうあまり時間はありません。



除夜の鐘。


108の煩悩を取り除く事を願って、108回鐘をつきます。



有無同然
欲しいものが手に入っても、人間は幸せになれない。



「ねぇっ、ピーマンとシシトウは同じようなもんなんだからどっちかは譲ろうよ」



人間は全てを手に入れてもまだ、手に入れられるものが無いかを探る。

そしてさらに欲しくなる。


「じゃあ、それ両方あげるからイカとホタテはあたしね」

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人間は永遠に欲を欲し続ける。


「やっぱりピーマンとシシトウあげるから、あたしがイカとホタテ食べる」


「はぁ?」


「なあにぃ?」


「楽しそうでいいにゃね。

にゃこさん全然構ってもらえないにゃ…」



ゴーン…

ゴーン…


除夜の鐘が鳴り始めたようです。


「やだっ
鐘鳴ってるじゃん」


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にゃこさん、再びおねむです。


こうしてもうじき今年も終わります。


来年もいい年でありますように…