ポ村の秋の夕暮れ時…
ガサゴソガサ。
にゃこさんが何やら、一生懸命荷物を詰めています。
どうやらにゃこさん用の、おやつのようです。
「月見?月見なんてにゃこ知ってんの?」
「知ってるにゃよ。
にゃこさん、もちろん知ってるにゃ!」
「どこで見るの?」
「ねこ森町にゃよ。
こないだお友だちになったみんなでお月見にゃ」
「隣町の?いいけど…
あんまり遅くならないようにね。食べ過ぎ注意だよ!」
「にゃっ!」
お出掛けの準備完了したにゃこさんは、さっそくねこ森町に向かいます。
お月見会場に向け、走る走るっ。
にゃんバスに乗って…
宇宙井戸のあるところ。
にゃこさんは初めてのお月見。
ホントはお月見が何なのか、あんまり理解していないにゃこさんですが、ねこのお友だちとまた会えるのが楽しみなのです。
「ええと…どっちにゃろか?」
ひとりでねこ森町に来たにゃこさん。
今回はダイちゃんに頼らず、地図を見て向かいます。
「大人のねこさんなのにゃから、ちゃんとひとりで行くにゃ!」
ダイちゃんとは会場で会うのです。
楽しみです。
ダイちゃんにまた会うのです。
O様にまたご挨拶をするのです。
ガレ猫さんたちとは、一緒におやつを食べるのです。
大河くん葉月くん秋月くんたちと、男の子同士お話するのです。
ななちゃん・かまどちゃんたちにはさまれて、お月様を見るのです。
ジルちゃん・シェイちゃんには、ご飯を食べさせてあげるのです。
すずちゃんからは、かーさんのお話を聞くのです。
トト・チー君と遊び回るのです。
そしてくまねこちゃんたちには美味しいお野菜についてのお話をして…
合間にえとちゃんのもっふわぁっとした毛を触らせて貰って。
それからエリンギさん・シメジさんとおやつの交換こをするのです。
「ついたにゃ」
どうやらみなさんすでに集まっているようです。
うさぎの先生が真っ白い犬のおもちさんと、お月様の中でお餅をついています。
このあとお団子ではなく、つきたてのお餅をいつもお世話になっている人たちに、ニャーバーイーツでお届けするみたいです。
にゃこさん、お月様に見とれています。
「きれいにゃぁ」
なんとなく
“遅くならないようにね”
と言っていたまゆさんとのお約束を、守れなさそうなにゃこさんです。