・前回の続き・
初めて調剤事務をやられている、USAさんと顔合わせしたパゴロウさん。
彼女の物怖じしない、人懐っこい性格を羨ましく感じました。
患者さんと接することの多い調剤事務さんも、もちろんコミュニケーション能力が必要です。
USAさんは、ボクの少し苦手なタイプな気がするけど、見習わせて頂かなくてはならない所は、たくさんありそうです。
USAさんきっかけで思い出した、学生時代の実習先でお会いした調剤事務のシノさん。
長く務めているベテランさんで、薬剤師も含めみんなが頼りたくなる姉御肌の人でした。
薬局内のまとめ役で、相談もしやすい。
基本的に個性強めな人が多い薬剤師を、きっちり仕切ってくれるシノさん。
“こういう人がいてくれると薬局が一つになる”
そんな風に感じていたことを思い出していました。
薬局内での調剤事務さんのお仕事は、清掃作業・電話応対その他、レセプト請求等です。
レセプト業務を行うには保険制度・調剤報酬などの知識が必要。
基本的に調剤事務さんは、未経験でもOKと求人広告に記載されていることが多いですが、忙しい薬局では未経験者では務まらない大変なお仕事。
知人から聞いた話ですが、人事で年齢を優先し、若い未経験の方を採用。
でも結局その方は足手まといに…
仕事仲間に、迷惑がられてしまったのだそうです。
ボクもそんな事務さんたちの補助が出来るよう、レセプトの事ととかもしっかり勉強しなくちゃ。
質問された時に答えられる位に!!
(なんか…ボーッとしてきちゃった。
また熱かなぁ…)
「大丈夫ですか?」
「どしたの?」
「何でもないです。大丈夫です!
ボク強くなったんです」
「パゴちゃん?」
「実はボク…」
「えー、そうなんだ、良いなぁ」
「へ?」
「だってぇ、すぐ熱出るんでしょ?
熱出たら学校休めるでしょ?
もも缶、食べられるでしょ?」
(そっそんな考え方…)
「ダメですっ!!」
「え?なにがよぉ!?
あたしはもも缶食べたいのー!
だっててんまちゃん、マメチュー先生から桃のフレッシュジュースを飲ませて貰ったって言ってましたよー!
ケーキは今度にしましょー!もも缶~!」
「もも缶?何だか懐かしいですね。
ではUSAさん、休憩時間まで待っていて下さい」
「はいは~い」
マメチュー先生お手製。
もも缶のシロップで作った桃入りゼリー。
生クリーム添え。
「パゴちゃんお熱平気?
もも缶ピッタリでしょ?
マルズはまた今度にしようね!」
「はい、分かりました。覚えておきます」
「でも…きひひ」
「??」
「パゴちゃんみたいな子が、まゆちゃんに会ったどうなるんだろう」
「え?」
「ううん、何でも無い」