マメチュー先生の調剤薬局

マメチュー先生の調剤薬局

ねずみの薬剤師、マメチュー先生の日常と、調剤薬局でのお仕事を薬の知識も交えながらほのぼのと描いています。猫好き、猫飼いの管理人の飼い猫エピソードも時々登場します。

USA その1

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パゴロウさんの初出勤から、数日が経ちました。


初日はあんなに緊張していたのに、今はマメチュー先生やクラゲさんと、一緒に働けて楽しくて仕方がありません。

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早く出勤して、マメチュー先生のお話を聞きたくなる。


実は今日も早めに出勤してしまい、図々しくも朝食をご馳走になってしまいました。


爽やかな朝が気持ちいい。

その中で飲む、出汁の効いたお味噌汁が美味しい。

しょっぱい系の、ご飯に合う卵焼きが美味しい。

そのご飯がまた、ふっくらしていて美味しい。


「今日一日しっかり頑張ろう」
そんな気持ちがわいてくる、幸せな朝の時間。


「マメチュー先生、ご馳走さまです。
全部とっても美味しかったです!
ボク、お片付けしますね」

「ありがとうございます」


ザーザー…
ふんふ~ん♪
キュッキュキュッ!


パゴロウさんがご機嫌さんで、お皿洗いをしていると、人に見られているような変な気配を感じました。


「??」

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窓の外から覗き込む人影。

目が合った直後、凄い勢いで薬局内に入って来るその人物。


「マメチュー先生!この方どなたっ?何ですかっ!家族団らんみたいな光景は!
まさか…
マメチュー先生の息子さん?」

「いっいえいえ。この方は…」



「何だぁ。くまじろ先生の甥っ子さん…へぇ~。
ってか似てるー!ギャハー!!」

「パッパゴロウと申します」


覗いていた人物は、ずいぶん元気の良い、女性の方でした。


近くで全身をじろじろと観察されて、どうしたらいいのか分からず、戸惑ってしまいました。

「なぁに?赤くなって…照れてんだ?」


マメチュー先生は、困っているボクの為に、その女性の方を改めて紹介して下さいました。

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「ここマメクスリカフェで調剤事務として、お仕事をしてくれています」


「同僚の方でしたか…」


「ねえ。パゴちゃんはさ。
中身はくまじろ先生に全然似てないね」

(パゴちゃん…)

「でっ!マメチュー先生!」

「はい?」

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「急にくまじろ先生に言われたものですから。
でも素敵な方でしょう?」


「!!」(素敵…)



元気な女性USAさんは、1週間振りの出勤だそうです。


薬局の繁忙期は、もっと出勤日数も増えるそうですが、基本は経営者であるマメチュー先生が自由にさせているみたい。


なので非常勤である薬剤師のてんまさんも、毎日は出勤していないようです。


お話をする時の距離がとても近い、調剤事務のUSAさん。


でもおどおどしているボクの事を、根掘り葉掘り聞くというよりは、ご自分の事を色々と話してくれました。


「私の今日の朝ごはんはね~
卵かけご飯!おいしいよね。
ポ村には美味しい卵を、売ってくれるお店があるんだ。
そうだ、パゴちゃんさぁ」

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「あ、ごめん。近い?
あたし、人との距離感バカになってるからさ。
よく人にウザがられるんだよね。
まゆちゃんとか…
でね、そんでね、そのスイーツのお店、今日あたしが食べた卵かけご飯に使った、美味しい卵を使ってるんだよ!
今度買ってきてあげようか?そこのスイーツ」


「それならUSAさん。
お金をお渡しするので、おやつに買ってきて頂けますか?」


「やった~!嬉しい。
マメチュー先生ありがとう!
パゴちゃん、楽しみにしていてね。
ホント、美味しいから」


「あ、あっはい」


パゴロウさんは、スイーツの事よりもUSAさんの人懐っこさを羨ましく思っていました。

・続きます・