マメチュー先生の調剤薬局

マメチュー先生の調剤薬局

ねずみの薬剤師、マメチュー先生の日常と、調剤薬局でのお仕事を薬の知識も交えながらほのぼのと描いています。猫好き、猫飼いの管理人の飼い猫エピソードも時々登場します。

マメチュー先生の失敗話

どの職場でも同様だと思いますが、薬剤師にとってもコミュニケーション能力はとても大事です。


例え薬学部を優秀な成績で卒業したとしても、社交性が無い方は、薬剤師には向いていないと思います。


(大学に入る前は、そういう患者さん対応の事とかは考えていなかったなぁ)


病になり不安を抱いて来局している患者さんが、薬剤師に素っ気無い態度で対応されたら…
それこそ嫌な気持ちになると思います。


何を言っているのか分からない、やる気の無い態度の服薬指導等も、患者さんは困惑することでしょう。

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これらの事は、いつも自分に対し言い聞かせているパゴロウさん。


元々緊張しいで、人見知り。

患者さんに自己紹介する時も、全くうまく言えず…

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服薬指導も上手に出来ず、ただ説明するだけの人。

お優しい患者のチーパさんは、下手くそな説明を穏やかに聞いて下さいました。


でも勿論イライラされてしまう患者さんもいることでしょう…


頭の中の自分と、実際の自分。
いつも物凄く解離しています。

「はぁ…」

落ち込むパゴロウさん。


「パゴロウさん、お店が落ち着いてきたのでそろそろランチにしませんか?」


「え、あ…そんな時間。
ありがとうございます。マメチュー先生」


マメチュー先生は、具だくさんの炊き込みご飯と、お味噌汁を出して下さいました。


「簡単な食事ですが、どうぞ召し上がって下さい」

「…頂きます」


温かくて…ほっとします。


「パゴロウさん、七味使いますか?
前に手作りしたんですよ。」


「そうなんですか?頂きます!
元は漢方だったんですよね。七味って」


「はい。七味もお薬でした。
あ!辛いもの繋がりなんですけどね。この間…」

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「美味しそ…」

「フフ。自分で言うのも何ですが、とても上手に出来たんです。ドリアは得意料理で。
そしてそのドリアには酸っぱ辛い、タバスコを掛けて頂くのが大好なんです。
それなのにいつも置いてあるはずの、調味料置き場にタバスコが無くて…」


「あら」

「タバスコが無いと絶対嫌だったので、部屋中探し回って、あちこちと」


「見つかったんですか?」

マメチュー先生は、コクリと小さく肯きました。


何ででしょう…


「何故か歯ブラシ・歯磨き粉の横に並べて置いてあったんですよね、タバスコ」

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「でもようやくドリアが食べられますね」


「ええでも…
楽しみにしていたドリアのチーズが、タバスコを探している間に、冷めて固くなってしまっていたんです」

「あらら」


「なのでレンジで温め直して、食べることにしたんです。
でも今度はチーズが熱くなりすぎて、それがペタッと顔に張り付き…ヤケドしてしまいました」



(…マメチュー先生…もしかして…)

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(ボクが落ち込んでいたから)

「チーズってどうしてあんなに熱くなるんでしょうね」


「ふふふ。ホントですね」


「チーズがあまりにも熱すぎて、思わず地球の内部でマグマがチーズと化して、ボコボコしている姿を想像しちゃいました」


「マグマ…チーズ…」


思わずパゴロウさんも想像してしまう。

「もしマグマがチーズだったら…食糧難も無くなりますかね?」


「…どうでしょう。そうかもしれないですね。
地底人にチーズを運んで貰ったりして?」


「そしたらボクは、パンに付けて食べちゃいます。
そこにちょっとミートソースものっけて」

「素敵ですね」

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何だか夢が広がる妄想です。

惑星によってチーズの味もかわるのかな?