ポいもは世界一と言っても良いくらいの能力を、神に与えられました。
靴紐は二度と結び直さなくていいように、靴を脱ぎます。
何故なら再び上手に靴紐を結び直す事が、出来ないから…
そうです。
ポいもは世界一の不器用さんなのです。
マジシャンになる夢を見る事は、許されないのです。
折り紙を上手に折る事も、勿論諦めています。
“鶴の折り方”をネット見ながら折ったというのに、ひどくスタイルの悪い、可哀相な鶴が出来上がってしまいました。
台所で包丁を触るたびに、爪はボロボロ。
食材と一緒に切ってしまうからです。
“爪があって良かった♪”
家庭科で行う実技の授業は、いつも親切な女学生が代わりにやっていてくれていました。
“いつもありがとう”
家のカーテンは、いつもポあねが付けてくれます。
家具の組み立てもです。
“ホントにいつもありがとう”
「キレイに紙を糊付けできないよっ!」
職場でポいもがぐずると、親切な女子が代わりにやってくれます。
“迷惑かけます”
そんな不器用なポいもさんは、猫さんたちともうまく、遊んであげられません。
オモチャが上手に扱えないのです。
オモチャを猫さんの標的である“小鳥”や“ネズミ”のように、動かしたりする事が全然出来ません。
だいたい小鳥は、飛んでるか木の枝にいるしさ…
そもそも小鳥の動きってのがピンときません。
ポにゃちゃんにいたっては、手の届く範囲で上手にオモチャを動かして、遊んであげないとダメです。
ポいもにとってはとても、技術をようします。
人間の世界は気遣いもあるし、意外と甘い所があります。
ですが猫さんたちは、楽しく遊んでいる振りをしてくれず、なかなか厳しい世界です。
ポにゃちゃん、おもちゃの扱い方が下手くそで、お顔にパンパン当たっちゃうけど許して下さいね!
“いつもごめんね。”