マメチュー先生の調剤薬局

マメチュー先生の調剤薬局

ねずみの薬剤師、マメチュー先生の日常と、調剤薬局でのお仕事を薬の知識も交えながらほのぼのと描いています。猫好き、猫飼いの管理人の飼い猫エピソードも時々登場します。

ポにゃちゃんの中のひと

「さて、今日は宇宙猫のお話でもしようかね」

「それはどういうお話?」

「そうだね、言うならばほぼ“鶴の恩返し”だよ」

「へぇ…」


「ある所に猫さんがいてな。その猫さんはなぁ。
山に捨てられそうになっていた所を、すんでのところで貰われた。

そう思われているけれど…
実はエイリアンと言うか、スペースヒューマン的な飼い主と地球へ寄った時にはぐれて、離れ離れになってしまった猫さんなんだ」


「それが宇宙猫っていう猫さん?」

f:id:maricats:20200829103958j:plain

「そう。その宇宙猫はスペースヒューマン的な飼い主さんとはぐれたまま、地球人に拾われてな…
一緒に暮らす事になったんだ」


「宇宙猫と知らずに…」



“早く…早く帰りたい”


「宇宙猫は毎日、宇宙に帰りたがっていた。
スペースヒューマン的な飼い主の元へ戻る為に…

一方、一緒に暮らす事になった地球人は、その猫を宇宙猫とも知らずに普通に可愛がっていた。

その猫さんの為に猫ハウスやトイレ、猫タワーを用意して、具合が悪そうなら病院に連れて行って…
本当に可愛がっていた。

するとその宇宙猫も次第に、地球人の飼い主に心を開いていき、毎日楽しく過ごせるようになっていった。

ふたりで一緒にオモチャで遊び、一緒に寝て、美味しいご飯も食べさせて貰って…」


「じゃあ、もう地球の猫さんだね」



「しかしそれから数年後…
スペースヒューマン的な飼い主さんが、ようやく宇宙猫を迎えに来てくれた。

すぐに迎えに行きたくても、スペースシャトルを飛ばすのに、時間が掛かってしまったんだそうだ。

本当の飼い主さんに会えて嬉しいはずの宇宙猫だったが、その時はとても複雑な気持ちだった。

既にもう地球の飼い主と、とても仲良くなってしまっていたから…」


「じゃあ、そのまま地球猫になれば良いのに」


「でも宇宙猫は、考えた。
そして思ったんだ…

いつまでも地球猫として、暮らすわけにはいかないと…

宇宙猫は、スペースヒューマン的な飼い主と、一緒に宇宙へ帰ることにした。
黙って帰ることにした。」


「……………」


「地球の飼い主にすっかりお世話になっていた宇宙猫は、お礼も出来ないのは忍びないと、自分の“毛皮”を残して旅立つことにしたそうだ」


「その毛皮が鶴の恩返しで言う、自分の羽毛で織った美しい布みたいな事、なの?」

f:id:maricats:20220316215902p:plain

「それで残された地球の飼い主さんはどうなったの?
二度と宇宙猫には会えなかったの?」


「猫さんがいなくなった事に気付かなかったんだ」

「え?」




都市伝説として有名な小さいおじさん。


その小さいおじさんは、町の片隅で
「今日はどこのおうちでお世話になろう」
と、寒空の下で震えていた。


小さいおじさんたちは、人間に気付かれないよう家の中に忍び込んでは、こっそり暖をとっているのだという。


そんな小さいおじさんの前に、どこからか飛んできた毛皮。

「!?…これは…暖かそうじゃ」

f:id:maricats:20220316225152p:plain

小さいおじさんは毛皮を着た直後、運命的に地球の飼い主に見つかってしまう。

f:id:maricats:20220317215236p:plain

「どうやってお外に出たの?危ないでしょう!
おいで、一緒に帰ろう」


宇宙猫からモチャ猫さんへチェンジした瞬間。

そのまま正体は、小さいおじさんであるモチャ猫さんは地球の飼い主宅で暮らす事に…

f:id:maricats:20200829104804j:plain

宇宙猫からモチャ猫さんに入れ替わってしまったが、その後も地球の飼い主は、猫さんと幸せに暮らしたという。


めでたしめでたし。



このお話は前回の記事“宇宙猫捕らえる”にブクマしていただいた、猫だまり(id:nyan-chuke)様のコメントを元に作らさせて頂きました。


ポあねの
「コメントが面白過ぎる!
この仮説からお話を作ったら?」

という意見をきっかけに調子にのって、勝手に記事にしてしまいました。


失礼致しました。