マメチュー先生の調剤薬局

マメチュー先生の調剤薬局

ねずみの薬剤師、マメチュー先生の日常と、調剤薬局でのお仕事を薬の知識も交えながらほのぼのと描いています。猫好き、猫飼いの管理人の飼い猫エピソードも時々登場します。

ドクターショッピング

こちらは関東を中心に展開する、イチイさんの父親が経営する調剤薬局です。

 

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しっかり教育されている薬剤師たちの頑張りにより、地元の人たちにはとても愛されています。


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「でね、この血圧のお薬なんだけどもう飲まなくてもいいかしら? 
ちょっと外して貰いたいんですけど…」

 

「そうなのですね。
では医師に確認致しますのでお待ち下さい」


何やら、ずっとおしゃべりをしている患者さん。


おくすり手帳を確認する。


(あちこちの病院に行ってるなぁ。
いわゆるドクターショッピングってやつか…)


“ドクターショッピング”

医療機関をあちこち受診する患者さんのこと。
その理由はいくつかありますが、今回の患者であるペリコさんは、自分の診断結果が不服なため、自分の都合のいい診断をしてくれる医師を探す為のようです。

 

不安症な方などは、沢山の薬を手にして安心を得たいため、医療機関を巡っているというケースもあります。

 

ですが注意して欲しいのは、ドクターショッピングを繰り返し、様々な薬を服用すると、その分副作用のリスクも増加してしまうということ。

 

皆さんは、安易に薬に頼りすぎないようにして下さいね。

 

(そうだ。先生に疑義かけないと)

 


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「あのペリコさんという患者さんの、血圧の薬に関してなのですが」
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「はぁ~…」

 

そうだった、あの先生気難しいんだった。


とはいえ医師の許可なく、薬剤の変更は薬剤師には出来ません。


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今日はエリマネのイチイさんが、ヘルプで来てくれています。


ラッキーなのかアンラッキーなのか…


イチイさんは人を品定めするような、問題をクリアする能力があるのかどうか見定めるような…そんな目つきで見てきます。


「どうする?おれに助けてもらう?」

 

「はい?何を助けるんです?」

 

「…患者待たせんなよ」

 

(人に頼ってばかりじゃダメだ。
薬剤師としてもっとしっかりしないと。
いずれは管理薬剤師として責任持って働きたい)


「ね~え、薬剤師さん。
私、高血圧の薬じゃなくて心臓の薬とか…
そういうのが欲しいんです」

 

「その前にペリコさんはなぜ血圧の薬は必要無いと思われたのでしょう」


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「この薬、効いてないみたいなんですよね。
数値も変化ないみたいだし」

 

(数値…)

 

「それは効果がないのでは無く、薬を服用しているから数値が安定しているのです」

 

「そうなの?」

 

「だからお医者さまの指示通り服用を続けて下さい。
そしてこれ以上薬の服用を増やすと、副作用の危険が高まる可能性があります。


10年前から心臓に症状はあっても悪化はしていないんですよね?
それでしたらおそらくお医者さまは、様子をみられているのだと思いますよ」

 

「私をあしらったんじゃなくて?
適当に薬を出してるんじゃなくて、考えた上での処方なんですね?」

 

「もちろんです」

 

「そうだったのね。
分かった、続けてみます。
ありがとう」

 

「お大事に」


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「早速ドヤついた顔でこっち見んな」


(いいじゃん、ちょっと位ドヤついたって)


「…~っと…晩飯食うか?」

 

「え?やった!ごちそうさまです」

 

「俺の手作りでいい?」

 

「…料理するんですか?
俺、フレンチしか口に合わないんですけど。」

 

「よし!フランスパンを作ってやろう」


「…フランスパン?!」

 

「ちょっと時間掛かるけど」

 

「その冗談いつ終わります?」