マメチュー先生の調剤薬局

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ねずみの薬剤師、マメチュー先生の日常と、調剤薬局でのお仕事を薬の知識も交えながらほのぼのと描いています。猫好き、猫飼いの管理人の飼い猫エピソードも時々登場します。

まゆの伯母・ペリコについて その2

世間知らずな所があるペリコは、人に騙されやすいです。


そのせいでペリコ宅は一時期、詐欺師に目をつけられていました。

 

完全にカモになってしまったペリコ。

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母に口止めされているので本人は知りませんが、見知らぬ男性が、ペリコ宅に侵入していたこともありました。


母がペリコ宅、というか祖母宅に用事があって訪ねると、謎の男性が勝手に上がり込み、何故か人の家の電話でどこかに電話をかけている。

 

“何?誰?”

 

幸い母に危害が加えられる事は無く、目が合うと黙って出て行ったそう…


しかし何していたのでしょう。
まぁ、この話はオチも無く謎のままなのですが…

 

何も盗られていないのかどうかも、家主には内緒なので分からずじまい。


さてペリコの話に戻ります。

ある日彼女はいい買い物をしたと、物干し竿を見せに来ました。


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「この物干し竿、1万円したのよ-。
ちょっと高かったけどその分、丈夫だから10年は持つんだって!」

 

ペリコさん、とってもご機嫌さんです。


でも…
物干し竿って安いやつでも壊れた事無いけどな-。


当の本人は騙されたとは全く、思ってないみたい。

 

「あたし騙されないタイプなの」


そんなようなことをドヤ顔で語るタイプのペリコさん。


そんなペリコの前に次に現れたのは、ネズミ駆除業者。


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「まずはお試しで、無料でやらせてお頂きます」

 

「無料!?」

 

「はい、スマイルと同じ。
無料で結構です」


当時ネズミが出没したことなど無かったのですが、ネズミが大嫌いなペリコは、二つ返事でお願いごとする事に。


それからしばらくして…

母に泣きついて来るペリコ。


「何なのよ、一体」

 

「あの…ネズミの人たちが…」


どうやらネズミ駆除業者たちが、あれから何だかかんだと言ってきて「無料でやります」と言っていたにも関わらず数十万円の請求をしてきたという。

 

“無料はスマイルのみですよ。当然でしょう?”

 

“そ、そんなっ”

 

「全く世話やけるわねぇ」


母はペリコの代わりに、ネズミ駆除業者に電話。


後にペリコが語っていましたが


「あなた、あの場にいなくて良かったわよ」


と震えて言う位、凄い剣幕で電話口でネズミの人たちに怒鳴っていたという。


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母は前に侵入していた“謎の男”の事を内緒にしている負い目があったので、全力でネズミの人たちを追い払ったそうです。


母が“謎の男”の事を内緒にしているのは、そもそも母が原因だからです。

 

なにしろペリコ宅の鍵を開けっ放しにしていたのですから。


おそらくその事がバレるのが嫌だったので、内緒にしていたのでしょう。


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ただその母の電話の一件以来、二度とネズミ駆除業者から連絡が来ることは無くなりました。


他の詐欺師にもその話が知れ渡ったのでしょうか…

 

詐欺の人自体、出没しなくなりました。


取りあえず良かった!


その後ネズミさんが現れたのは、結局一回位だけでしたし。


子供の頃、ネズミじゃなくて知らない猫さんが侵入してきたことはあるらしいけど。


「そうそうあんたが子どもの頃。
猫が入ってきたと思ったら。
あんたの布団の中で勝手に寝てたのよ。
全く図々しいんだから」
(母猫嫌い)


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結局母のお陰で、ペリコは大事に至りませんでしたが…


未だに口を開けば
“世間を知らぬの?”
という事ばかりいいます。

 

「お茶くみだけでお金貰える仕事ならしたいんだけど…あるかしら?」

 

お前にその仕事させて金払うメリットって何?

 

「カップ麺って食べたことないのよね。
あたしコンビニ自体行ったことが無いの」

 

何年か前までペリコ、そんな事を言っていました。


まゆさん、一応そんな伯母の扱い方を考えます。

確かにペリコの話しを聞くのは鬱陶しい。


それでも。
振りだけでもいいから、話を聞いてやってくれれば良いなと思う。

 

(あたしの代わりに…)

女ってのは話を聞いて貰って、その上で肯定して貰いたい生き物。

 

そんで
「ちょっとだけ心臓に異常があるみたいだね」


なんつって“偽薬”でも出しといてくれたら大人しくなるんだろうなぁ。


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【偽薬】

偽物の薬のこと。プラセボ。
中味は乳製品から作られる乳糖や、デンプンなどが使われることが多いです。

 

乳糖は、薬の量が少なすぎて分包出来そうに無い、そんな時かさ増しをするため等に使用します。

治療効果のない薬なので、本来なら症状は改善されません。

 

“痛みがあるけれどそれ以上鎮痛剤を使用してしまうと、身体に危険が生じる可能性がある”
などの場合に鎮痛剤の代わりに偽薬(プラセボ)として使われることがあります。

 

効果が全く無い薬でも“痛みに効きますよ”と伝えて、それを患者さんが信じれば、実際痛みが和らいでいく、それをプラセボ効果といいます。

ちなみに、偽薬を飲んで副作用が現れることをノセボ効果といいます。


まゆさんのおばさまのペリコさんは、人の話を信じやすい所があるとの事なので、

“心臓の痛みに効きます”と伝えて服用して頂ければ、効果が出て気分が落ち着いたかもしれませんね。