ヘソの尾がまだついている生まれたての状態で、貰われてきたぽんちゃん。
ぽんちゃんは近所の猫のおばさんたちに、面倒をみて貰うことが出来ませんでした。
その為、我が家の人間としか関わった事がありません。
そんなぽんちゃんが、ようやっと1歳の大人になったある日。
ぽんちゃんと同い年位の猫の男の子が、庭先に姿を現すようになりました。
どこから来たのでしょう?
人懐っこくて、大人しくて、とってもいい子。
首輪はしていません。
元気いっぱいで、毛並みから見るとまだまだ若そう。
何故だかかわいいその猫さんは、ぽんちゃんのお友だちになってくれました。
初めて出来たお友だち。
「ぽんちゃんよかったね」
近所に猫さんはいたものの、いつも遠巻きに見られているだけで遊んで貰えなかったぽんちゃん。
それがようやっと遊んでくれる猫のお友だちが…
若い猫の男の子たちは、人見知りする事もなく、ふたりではしゃぎ回っています。
「楽しそう~」
なんて思っていたのですが、親兄弟すら知らずに育ったぽんちゃん。
猫さん同士のマナーが、分かりません。
扱いがポいもにも対してもおんなじ…
(詳しくは「人として育つ」を参照)
遊ぶ時の力の加減も分かりません。
お友だちが背中を見せた途端、殺意が芽生える猫。
せっかく出来たお友だちを、殺そうとする。
「ぽんちゃんっっ!」
慌てて止めたましたが、お友だちの猫さんは噛み付かれているのに無反応。
「何で?」
泣きもしないし、嫌がりもしない。
そしてまた、遊びに来てくれる。
(一応ぽんちゃんに噛み付かれても、全然大丈夫だったみたいです)
ありがたい猫さんです。
うちのぽんちゃんのお友だちになってくれて、ありがとう。
「ぽんちゃ~ん。お友だちがまた来てるよ-」
「にゃ!」
そんな日々が、数ヶ月続いたのですが…
いつしかパタリと来なくなってしまいました。
他にお気に入りのおうちを見つけたのでしょうか。
「さみしいね、ぽんちゃん」
結局そのまま本当に会えることなく、後にも先にも猫さんのお友だちは、あの男の子のみ。
ぽんちゃんの1歳のお誕生日の、儚いプレゼント?
「短い間ですがお世話に、にゃりました」