農家を営むケイヒさん。
お野菜を大事に育てています。
ポ村を吹き渡る風が、色んな香りを運んできます。
土の香り
花の香り
草の香り
大好きです。
自然の香りを楽しんでいると、突然異様な匂いが…
宝石屋の香子さん。
お店ではポ村産の水晶や、パワーストーンも扱っています。
香子さんは香水がお好きなようで、こちらへいらしたことがすぐに分かるくらい、匂いを身につけています。
それはケイヒさんが内心「芳香剤を持っているのかな?」と思う位の香りです。
でも花粉症を患うケイヒさんは、香子さんの存在を認識するのが遅れてしまいました。
「逃げたわよね?
何よ、毎回。失礼ねっ。
図体ばっかり大きくなって、ホントいつまでも小心者なんだから。
子どもの頃から、全然変わらない。
雷、今も苦手でしょ!
小さい頃は雷の音を聞いては、怯えて泣いてたわよね~」
確かに香子さんが放つ匂いは苦手です。
でも会うたびに同じ話をする所はもっと苦手です。
「若いんだから、男とは」のくだりも苦手です。
さらに苦手なのはケイヒさんが大事にしているミミズの話。
土の腐敗した部分を、食べてくれると言われているミミズ。
ポ村のミミズはサイズが大きい為、農作物の荒らし屋“モグラ”が食べにくることはありません。
それにミミズのウンチは肥料にもなるのです。
ケイヒさんにとってミミズは大切なお友だちなのです。
自分が大事にしているものを悪く言われると、まるで自分が言われているように感じてしまいます。
悪気はないのでしょうけれど…
でもこのちょっとしたストレス、不安な心。
解消するにはどうしたら良いんだろう。
「アートギャラリーに行ってみようかなぁ。そこで卵かけご飯をサッと食ってサッと帰ろう」
ポ村のアートギャラリーでは、オーナーのクスドリさんが経営する卵料理屋もあるのです。
そのお店で扱う卵は薬並みの栄養成分があると言われています。
“心も体も元気に”それがお店のモットーです。
ついでに絵画も鑑賞していく事に。
飾られているのは、トウキさんの絵です。
“不安”というものがどういうものか分からなくて、“不安”を抱いている、そんな絵。
洪水の中、水に飲まれそうになる家をどこかへ持ち去ろうとするカラス。
今、置かれている状況。
そしてカラスが連れて行こうとしている“どこか”
ケイヒさんは「どっちも不安だよ」と思うのですが。
この人は“不安を想像で描いてみた”んだろうなぁ。
不安が分からなくて不安?
上手く想像ができないけど、自分だけが不安やストレスを感じているわけじゃない…それだけは伝わりました。
「うん、帰ろう」