ポ村の冬の寒さは厳しい為、一日中まゆさんと一緒に部屋の中で過ごせたにゃこさん。
今は暖かくなってきたので、まゆさんがお出掛けする日が増えてきました。
「ごちそうさまぁ。さてと、そろそろ行くかな。留守番頼むよ、にゃこ」
「にゃ!」
今日も朝からお仕事です。
生薬を採取するため、野山を毎日歩き回っています。
まゆさんは漢方薬に詳しく
「漢方薬・生薬認定薬剤師」の資格を保有しているのです。
※この資格を持っている人は、漢方薬局で働くのに有利になります。
自ら生薬を採取しに行く事とは、特に関係はありません。
「野山を歩くなんて大丈夫かにゃ?
怪我しないかにゃぁ。
心配にゃ…」
落ち着かず部屋を歩き回るにゃこさん。
「はぁ~」
まゆさんが出掛けてからどれ位たったのでしょう。
「連絡ないから、分からないにゃ。
危険な目に遭ってないといいのにゃけど」
ただ待っているだけだと、マイナスの妄想をしてしまいます。
“時間潰しのため自分もお出掛けしよう”という発想、にゃこさんには思いつかないのです。
一人で寂しい感情を、少しでも紛らわせたいにゃこさん。
匂いを嗅ぎながらお部屋をキョロキョロ。
まゆさんの匂いのするものを嗅ぐと安心します。
ホッとする安心の匂いです。
「まゆちゃんにゃ」
大事そうにまゆさんの靴を抱えながら、ベッドに潜り込みます。
「ただいまぁ」
「!!」
「まゆちゃんっ」
「いい子にしてたか?」
まゆさんが帰ってきてご満悦のにゃこさんですが、このあとちょっとだけまゆさんに“コツン”されました。