マメチュー先生の調剤薬局

マメチュー先生の調剤薬局

ねずみの薬剤師、マメチュー先生の日常と、調剤薬局でのお仕事を薬の知識も交えながらほのぼのと描いています。猫好き、猫飼いの管理人の飼い猫エピソードも時々登場します。

楽な死に方

“楽な死に方”そう検索すると“電話相談”や、“自殺対策”のホームページが一番に出てくる。

 

一体どの位の人がその単語を検索した後、そのホームページにアクセスしようと思うのか。

 

世の中に存在するものは、それぞれ変化していく。

動植物…岩ですら長い年月をかければ変化していく。

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そして人の心も……

 

でもある日突然その心が、変化しなくなる事がある。

 

“死”しか考えなくなる。

 

心がそこから永遠に動かない。

 

簡単に、心を変化させる言葉なんてあるのだろうか?

 

魔法の呪文みたいな言葉が…

 

そんなものが本当にあるのなら、皆に聞かせてやれば良い。

 

その秘術のような言葉を聞かせて貰う事が出来ずに、毎日本当に“死”を切望し、苦しむ人たち。

 

そんな人たちに、望みのものを与えてやりたい。

 

望みが叶う“死の薬”
作り出せるだろうか?


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まるでサンタのように“死”を与えてやりたい。

 

朝、プレゼントが枕元に置かれている事に気付く前に、キレイに消滅させてやりたい。

 

時折、徘徊するカゲたち…

心にマイナスの影響を与えていく。


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人は唯一、自分の死を望める。

 

なのに自分の死を望む事は許されない。

 

それはただの試練でしか無い。

 

何の為に人を作った?

 

何の為に死を望むように作った?

 

死を望むような人間を淘汰するため?

 

だとしたら死を望む事は、本当に許されない事なのか?

 

ただ…彼らの手助けをしてやりたいんだ。

苦しまずに死ねるように。

 

まるでRPGのモンスターのような死。

 

死の瞬間、砂のように消え失せるような…そんな死。


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後始末も何もいらない死。

 

そんな風に死ねる薬を与えてやりたい。


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「どうかしました?」

 

静かに首を振るマメチュー先生。

 

「ただ心配なのです」

 

てんまも黙って空を見上げた。


……………。

勇者に殺される側で構わない。

 

こんな価値のないはずの命が、最後に勇者の成長の手助けになる。

 

そんな贅沢な死に方。

 

バカみたいに…

そんな夢ばかり見ている。