実家で飼っていたぽんちゃん。
動物大好きおじさんの父には「いい子、いい子」しかさせてあげませんでした。
「いい子、いい子ならいくらでもしていいにゃ」
ジジイ同士で抱っこ…
そう考えると、ぽんちゃんが嫌がるのも分かる気がしますが。
でもぽんちゃんが、父とコミュニケーションをとってきた後は、すぐに分かります。
おでこに父の整髪料の匂いがつき、とてもじじ臭い。
にこ~しながら抱っこをせがむぽんちゃんの後ろに、ジジイが透けて見える。
一方、動物大嫌いだった母。
目も開かないくらい幼かったぽんちゃんを見るまでは、猫をうちで飼うなんてとんでもない話でした。
もちろん今もぽんちゃん以外の猫さんは、ダメです。
そんな母に対しぽんちゃんは「いい子、いい子」すらさせてあげません。
何故なのか…
まだぽんちゃんが幼い、早い段階で嫌われていた母。
ちょっかいは出したりしないので、猫さんの扱い方を分かっていない所が、嫌う原因だったのかも知れません。
「何にゃよ、この肉まんババア」
「何よう」
でも一応ご飯をくれる肉まんみたいなうちの母の事が、気にはなるらしく何をしているか、見張ってたりするぽんちゃん。
「さっきから何してんにゃ」
「何よう」
どうやらやたらと太い母の足を、叩くのが好きみたいです。
ぽんちゃんをうちに連れて来たのはポあねでした。
けれど一年もたたないうちに、北国の大学へ行くために家を出てしまったので、ぽんちゃんに一番懐かれたのはポいもでした。
ぽんちゃん静かにしがみついてくる。
それを見ていた両親。
動物好き父はポいもに嫉妬。
そして母は、ぽんちゃんに嫉妬。
「うるせぇよ」