自分で育てたお野菜たちの事が心配過ぎて、胃を痛めたケイヒさん。
すっかり食欲がなくなってしまいますが、何も食べないのも良くないと思い、少しでも食べ物を口にすることにしました。
「何を食おうか…」
育てた農作物と引き換えに、三すくみの方々から頂いたそうめんと薬味。
「これ使ってそうめん雑炊にしよう」
そうめんをお米の代わりに細かく砕き、出汁と一緒に茹でてそこに卵を落とす。
最後に葱・シソ・生姜を加えて頂きます。
「ポ村の梅もあったっけ」
熱々のそうめん雑炊をフ~フ~しながらゆっくり口にしていきます。
葱・シソ・生姜・梅
全て胃に良い食材ばかりですが、途中で食べるのが少しツラくなってきました。
(残すのは嫌だな…。そういえば新しく買った胃薬があったっけ?)
「用法用量は」
心配性で繊細なケイヒさんは毎回薬の用法用量を確認してから服用します。
どうやら購入直後にチラッと内容の確認をし、そのままどこかに放置してしまったらしい。
「えっえっ?内容なんだった?」
箱の側面にも、多少の説明が記載されている事に気付いたケイヒさん。
“食間に服用”
「…今!?」
あれ?
食間って食事中の事だっけ?
説明書に書いてあったかな?そんな事。
飯食い始めて10分後とかが食間?
それとも腹五分目になってからとか?
“考えすぎる心配性の大人の男”
でも食事の量とか、時間とか日によって違うし。
ケイヒさんはいつもきっちり、服用時間を守るタイプなのです。
「今まで食間に飲む薬って服用したことなかったかも」
「何だよ、にゃこ。いつから」
にゃこさんは手に、メモを持っていました。
見てみるとそれは、自分が書いたと覚しきメモでした。
「食事中じゃないのか」
前にクラゲさんからほんのり、聞いていた事を思い出しました。
“よく食事中に服用する事を、食間だと勘違いする方がいるのです”
そんな事を言っていたクラゲさん。
「で、食事と食事の間っていつ?」
メモには、その一文しか書いてありませんでした。
大抵メモというものは、忘れた頃に読み返しても、意味が分からないように書いてあるものです。
一日何回も食事する人は?
逆に一日一回しか食べない人もいるし。
食事時間が、常に不規則な人だっているじゃん。
毒と薬は紙一重。
ちゃんと用法用量を守らないと、大変な副作用があるかもしれない。
考えすぎてケイヒさん、胃が限界。
ケイヒさんからの電話を受けたクラゲさん。
迎えに来てくれました。
「すんません。ご迷惑おかけしました。マメチュー先生の顔見たら、なんか落ち着きました」
マメチュー先生は胃に優しい、カモミールティーを出してくれました。
“食間とは”
食後、2時間位たってからの事です。
胃の中のものが消化されるので、薬の吸収がよくなります。
他に、カラの胃が胃酸で刺激されないようにする為にも、食間に服用する場合があります。
「食間は食後2時間後のことかぁ」
「そうです。ちょっと分かりづらかったですよね」
「やっぱちゃんと服用時間って意味あるんすね」
「もちろんです。もしお薬を服用してもまだ体調が悪いようでしたら…」
「あい。くまじろ先生とこ行ってみます」
続きます