農家のケイヒさん。
今日も朝から畑でお仕事。
育てたお野菜を子どものように、大事にしてます。
そんな時、背後に漂う悪しきものの気配。
「おっまえ!どうやって入ってきた?!」
ポ村の出入り口にある鳥居。
この鳥居には、悪しきものが村に侵入出来ないよう、結界としての効果があります。
ポ村の土地神様が、守って下さっているのです。
“人に悪さしたくなる症候群”
を患っている悪しきもの。
自分も腐っているのに、他の野菜や土を腐らせたり、人間に泥だんごをぶつけてきたりします。
「次々、野菜を腐らせようとすんなよなっ!ゾンビかよ!てめえは!!」
鳥居前で悪しきものと、言い争いをするケイヒさん。
“神様ハ鳥居ノ真ン中ヲ通ッテイイト聞キマシタ”
「下がれっ!疫病神っ!!」
長く生きている悪しきものは、たまにスルリと結界をすり抜けて、侵入してきてしまいます。
悪しきものは、腐っているので通常は短命で溶けて無くなってしまいます。
病気を患ってしまったお野菜。
そのままにしていると、やがて亡くなってしまいます。
しかし亡くなる前に、“影”の影響を受けるとたまに悪しきものになってしまうのです。
(あんなものを生み出す訳にはいかない)
もちろん、ケイヒさんは毎日お野菜の様子を確認しているので、病気にしてしまうような事はありません。
それでも全ての病気を防げる訳ではないので、体調が悪そうなお野菜たちには、都度、薬剤や肥料を投与しています。
多少言葉使いが乱暴な時もありますが、繊細な所もあるケイヒさん。
自分が育てたお野菜たちが、心配で仕方がないのです。
「病気にはならないよう細心の注意はしている。
でも災害が起きたら?
俺ちゃんと守ってやれるのか?
もうマジでそういうの嫌だ!
地球ってやつは何で隙あらば、災害を起こそうとしてくんだ?
そういうやり方で、生物や植物を淘汰しようとしてんのか?」
ケイヒさん、本気で悩んでショボーする…
「胃痛ぇ」
食欲ないな。
いやでも体力つけなきゃ。
何食べよう。
「そうだ。三すくみの人たちに、この間なんか貰ったっけ」
続きます。