その日の早朝はとてもヒンヤリしていました。
しかし、徐々に暖かくなってきたので、こたつ布団を干す事にしました。
体温を上げるのにとても適した朝です。
変温動物は、自分で体温を調節出来ません。
そのため午前中は主に、体温を上げることに専念します。
「そういえば、お友達と約束しちゃってたなぁ」
そんな事を思い出しても、体温を上げることに集中してしまいます。
体温を上げている時は
「早く体を動かしてお仕事したい」
なんて思っているのですが、
体が暖まって気持ち良くなってくると今度は「このままずっとこうしていたいなぁ」と考えるようになってしまいます。
なのに今日は、なかなか体が暖まりません。
少し風が出てきてしまったようです。
っていうかもう、かなり寒いです。
家に入っていた方が、いい位の風です。
フロ次さんが、こたつ布団に気をとられていた頃。
スネ文さん。
このまま何週間か、干していたらいい漢方薬になりそう。
早速マメチュー先生に連絡してみよう。
フロ次さんはそんな妄想をしながら、ナメ江さんとスネ文さんを一人で助けます。
いつもの事です。
こたつ布団が、乗っかっただけなのに大袈裟に背中を痛がるナメ江さん。
体の水分をとられてしまったようです。
ガマの油を塗ってあげることにしたフロ次さん。
「ガララ」
お店の扉を開く音がしました。
もう開店時間になっていたようです。
木じじいは珍しくムシさんと、外食に来てくれたみたい。
植物の成長に必要な三大栄養素を、摂取しに来たようです。
でも今はまだ開店準備中。
「ふぅ~」
木じじいとムシさんをガッカリさせてしました。
珍しく来店してくれたというのに。
そうだ……!
ポ村名物の湧き水を、木じじいとムシさんに提供。
どうやら元々頼もうと思っていたらしく、とても喜んで頂きました。
ついでですが、ナメ江さんとスネ文さんも、お水を飲んで一息ついたとのこと。
安心しました。
“フロ次さん解説”
ナメ江さんに塗っていたガマの油。
落語にもありますよね。
四六のガマという、前足が四本指、後ろ足が六本指ある蛙。
鏡を見てその醜悪な自分の姿に驚いた四六のガマは、脂汗を流す。
その脂汗を採取し、数日間煮詰めたもの、それがガマの油です。
その油を塗られていたナメ江さん。
でも顔や背中ならまだしも、手足の指は鏡を見なくても目に入ると思うんですけど。
足がやけに多い生物を見るのは、確かに厳しいものがあります。
けど指が1~2本他の生物と違うのってそんなに怖いですかね?
筑波山の名物にもガマの油というものがあります。
その成分は主にワセリンであかぎれ・しもやけ・切り傷等に効くそうですよ。