マメチュー先生の調剤薬局

ねずみの薬剤師、マメチュー先生の日常と、調剤薬局でのお仕事を薬の知識も交えながらほのぼのと描いています。猫好き、猫飼いの管理人の飼い猫エピソードも時々登場します。

パティスリーマルズ

森の中に佇むのは、まるで生クリームみたいなパティシエ・マルズさんが営むスイーツショップ。

f:id:maricats:20191114162336j:image

 

ナッツやフルーツ、野菜等を使用したケーキを中心に扱っています。
f:id:maricats:20191114162341j:image

 

もうすぐ、営業終了の時間。ケーキはもうあと一つで完売です。
f:id:maricats:20191114162350j:image

マルズでお手伝いをしているりーちゃんとドングリさんは、一日働いて空腹状態。

そんな二人にマルズさんは、優しく語りかけます。

 

「あと5分我慢してね。そしたら余ったケーキ食べて良いからね」

 

「あい!りーちゃんガマンするです」

 

既に同じケーキを食べていたキノコさん。

「ケーキ、美味しかったわよ。とっても」

 

「あと、あと4分30秒!」

 

チリン、チリリリン


f:id:maricats:20191114162346j:image
f:id:maricats:20191114162332j:image

 

「いっ、いらっしゃ…ませっ。うぅ、うえぇんっ」

 

「えぇ~?うれし泣きじゃないよね。買っちゃダメだった?」

 

りーちゃんは、一生懸命歯を食いしばって、涙を我慢します。

 

「お買い上げ…ありがと…ざいますうぅ」

 

気持ち良くケーキを買う事が出来ない店、パティスリーマルズ。

 

USAはカウンターに置いてある瓶に気付く。

「これっててんまちゃんのハチミツ?」

 

去年りーちゃんがてんまに貰い、しばらく使っていなかったハチミツ。

 

「りーちゃん、パンケーキ作ったら食べる?ハチミツのっけて」

 

まだグズグズ泣いているりーちゃんの為に、パンケーキを作ってくれるというマルズさん。


f:id:maricats:20191114162325j:image

 

ただケーキを買いに来ただけのUSAだが、何となく申し訳ない気持ちがあったため、ハチミツの瓶を開けてあげることにする。

 

「え?何これ?!かったっ!ケンシロウ用?」
(無理!手痛い…)

 

りーちゃんに瓶を返そうとするUSAだが、期待に胸を膨らませた幼き瞳が、こちらを見ている事に気付く。

(やっばっ)

「ちょっと、ちょっと待っててね」

 

調剤事務員。人々を助けるお仕事をしているUSA。

“いつもありがとう。貴方の笑顔に癒されるわ”

そんな一言がやる気につながる。

喜んでもらいたい。

人の助けになりたい。


「く~~~~~!!!」
(手があぁぁぁ~!)


(あたし・客。ねぇねぇマメチュー先生。血管切れたら死にますか?死ぬの?どうなの?こんな状況なのにすっごくスマホで調べたい。でもキラキラお目々で見つめられているあたし。でもケンシロウではないあたし。)

“開けられないっっ!”

 

そっと助け船を出してくれたキノコさん。


f:id:maricats:20191114162321j:image

 

キノコさんからのアドバイス。

 

冷蔵庫で保存していたから、瓶の蓋が収縮してかたくなってしまったのね。

 

ハチミツやジャムは、糖分粘度が高いから瓶の縁につくと、カチカチにかたまってしまうの。

 

普段から使うたびに、汚れないよう拭いてからしまうと、かたくなるのを防げるわよ。

 

私ももうおばあさんで、開かなくなったら困るから、キチンと綺麗にしてるのよ。

 

とりあえず、蓋を温めてみましょう。

それでも開かないなら、ゴム手袋をしてから開けてみると良いわよ。

 

マルズさんの小さな手袋を借りて、“キツくて血、止まらないカナ?”なんて思いながら瓶を開けてみるUSA。


f:id:maricats:20191114162328j:image

 

「おいし~」

嬉しそうにハチミツののった、ほうれん草入りパンケーキを食べるりーちゃん。

 

とりあえず、血管切れて死ぬことがなかったUSA。

無事、蓋をあけられて一安心。

 

「りーちゃん、このケーキ半分こしない?」

 

「しない」

 

「冷たっ。」

 

りーちゃんからはやる気につながる一言は、貰えないUSAさんでした。