まだ村長に見つめられているバイ菌薬剤師たち。
“村を愛し村を守る。村人を守り村人を守る”
そんな村長からしてみれば、医療従事者である二人の態度は許せません!
妖怪ですか?
黙って見つめられるとドキドキします、村長。
言いたい事がおありなら、説教の方が良いです、私。
転がるようにしょうまさんにしがみつくまゆさん。
「ちょっと~。引っ張んないでよぉ」
「……。」
「さてと私も帰って勉学にいそしまなきゃっ」
そんな二人に向かってズンズン近寄ってくる村長。
「ひっ」
しょうまさん余裕な雰囲気で振り返ります。
(しょうまのこういう笑顔だけは、てんまに似てる)
(村長って、てんまには甘い顔する気がする)
「まゆさん、しょうまさん質問しても良いですか?」
「はい?」
「何故今、薬を手にしていたトビーくんを放っておいたんですか?」
「えー?」
(しょうま!私の前で村長をおちょくってくれるな!口から心臓やら何やら色々飛び出しそうで怖いんすけどっ。)
顔色が緑色になっているまゆさんを横目に、ひょうひょうと村長に語るしょうまさん。
「マメチュー先生この時間、お年寄りの残薬とかの管理に行ってるんですよ。知りません?いつもこの道通るんです。」
(どこまでホントだ、しょうま)
村長、なんだかんだでしょうまさんにも甘いようです。
一方甘やかして貰えなさそうなまゆさんは、静かに立ち去りました。