「化粧品の匂いでもするのかな」
しょうまさんは化粧品会社で働いています。
「……履いてたらね……」
「こっわ」
「まゆじゃん。何してんの?」
「春の薬草摘み」
しょうまさんにマジマジと見つめられるまゆさん。
「あん?」
「何でも無い。久しぶりだから見てただけ」
「クソうぜぇ」
「おとひめさまみたい」
「あん?」
「トイレの方」
「どーゆー事だよ」
「ねぇ見て」
トビーくんが手にしていたのは、小さいお子様用のシロップの風邪薬でした。
甘くて美味しいため、誤飲事例が多くあります。
(2~3歳)
誤飲が多いといわれている、シロップの風邪薬を持っている事に気付いているのに、トビーくんを追いかけないバイ菌薬剤師たち。
命に関わる事はないが、体調がおかしくなる可能性もあるというのに。
とはいえほとんどは、大事にいたりません。
そんな二人の前を猛スピードで走り抜けて行く何か。
マメチュー先生でした。
おそらくトビーくんの所へ向かったのでしょう。
後はお任せしましょう。
しかしどこから見ていたのでしょうか。
あのぉ、マメチュー先生。
もうトビーくんの所につきましたか?
そしてバイ菌薬剤師たちはいつからいたのか……
村長にガン見され動けないのです。
村長ときたらまるでメドゥーサのようです。
知りません?
メドゥーサ……
ギリシャ神話に出てくる怪物です。
見たものを恐怖で石のように硬直させてしまうと云われている怪物の事です。
小さなお子さんは薬のシロップが美味しいため、自分で飲んでしまうことがあります。
保護者の方はお子さんの手の届かない所に、保存しましょう。
但し高い所にしまっても、椅子を使ってまでシロップを飲むお子さんがいるそうです。
その為、蓋があけづらくしてあるシロップ剤もあります。
シロップは日持ちが悪く、カビ等の汚染も受けやすいので冷蔵庫に保管し期限が過ぎたら処分しましょう。
飲み残しも廃棄して下さいね。
つづく