昔、北の町で一人暮らしをしていたポあねが譲り受けたねこのポにゃちゃん。
以来、仲睦まじくふたりで幸せに暮らしていました。
ポいもがポにゃちゃんに初めて出会ったのは、北の町のポあねの元に遊びに行った時でした。
初めてポにゃちゃんを見た時の印象はというと。
「ポあねっ変なお顔のねこさんいるー」
「にゃも?!」
この時代、誰かのお顔をいじってはいけません。
出会ってすぐ、ポいもはポにゃちゃんに嫌われました。
尋常じゃないほど、めっちゃ嫌われました。
嫌われた一番の原因は初対面なのにも関らず、パーソナルスペースを詰めすぎたことだと思います。
ポいもはつい、動植物であればなんでも近寄って触りたくなってしまうのです。
ポいもを嫌っているポにゃちゃんから、甘噛みでもない・ちょっと爪を立てたとかでもない、本気の攻撃を受ける。
「やば…こいつ…」
あまりの嫌われっぷりになす術もなく、ポあね宅に滞在中は、ちょっと距離を空けることにしました。
けれどポにゃちゃんから、厳しい監視を受けることになってしまいます。
ちょっと部屋を動くだけでも、監視される。
トイレに行く時も、何やら口をモゴモゴ動かしながらポいもの後をついてきます。
夜、割り当てられた寝室で寝る時も…
気配…
監視の手、緩めず。
滞在中、最後まで一切仲良くなれませんでした。
残念。
ポあねとの穏やかな日々を邪魔されたのがそんなに嫌だったのでしょうか。
物語のようにはうまくいかないねこさんとの関係。
結局、嫌われたまま終わってしまいました。
しかしこの凶暴なねこさんとは、数年後再会し、しかも一緒に暮らすことになってしまうのですが、それはまた別のお話。